以前なら、多少無理をしてもなんとかなった。
締切前の残業、詰め込みの会議、徹夜で資料を仕上げる日々。
それが当然で、評価もされていた。
けれど今は、そうした働き方をしようとすると体の方が先に止まる。
集中力が続かない。判断が鈍る。腰が痛む。目が重い。
周囲は「頼りにしてます」と言ってくれる。
でも、自分の中ではもう、その期待に応えられる体力が残っていないことを実感している。
評価とコンディションのズレが生まれるとき
社会で評価される働き方には、一定の型がある。
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常にレスポンスが早い
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無理をきかせてでも間に合わせる
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一歩先を読んで動く
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複数の案件を器用にこなす
こうした能力は、20代・30代のころには身につけられるし、多少の無理もきいた。
だが40代以降になると、体の反応が明らかに変わってくる。
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頭は動いても、身体がついてこない
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気力はあっても、疲労が抜けない
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情報処理が以前より雑になっているのがわかる
なのに、周囲からの“期待値”は昔のままだったりする。
自分の変化を、正しく認識すること
つらいのは、「まだやれるはずだ」と思う自分と、「もうきつい」と感じる体のズレだ。
そのギャップが、罪悪感や焦りを生む。
けれど大切なのは、身体の声を「能力の衰え」ではなく「設計変更の合図」と受け取ることだ。
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耐久性で勝負するフェーズから、
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整理や支援、判断力で貢献するフェーズへ
役割のシフトを自覚することが、自分を守る第一歩になる。
体と折り合いをつける働き方のために
「やれること」ではなく、「やっても持続できること」を基準にする。
以下のような意識転換が、長く働き続けるための土台になる。
1. すぐに反応しない勇気を持つ
即レス即対応が当たり前だった環境では、「少し考えて返す」ことに抵抗がある。
けれど、それはミスを防ぎ、頭を整理するための必要な時間だと割り切る。
2. 疲れたら、頭ではなく“体”のほうを信じる
体が動かないときは、理由がある。
単なる甘えではなく、情報処理とストレス反応のオーバーヒートが起きている可能性が高い。
体を休ませることで、仕事の質も回復する。
3. 評価軸を“持続性”に置き直す
「どれだけ無理がきいたか」ではなく、
「どれだけ壊れずに、他者に価値を出せたか」で自分を評価する。
そうすると、自分に対する過剰な期待や焦りがやわらぐ。
おわりに
以前のような働き方ができないと気づいたとき、
多くの人は「もう終わりかもしれない」と感じる。
でも実はそれは、新しい働き方への“入口”かもしれない。
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体に無理なく
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自分の知見を活かし
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若い人の助けになり
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組織にとっての“基盤”になる
そんな働き方ができるようになるのは、むしろここからなのかもしれない。
評価されていた自分を手放すのではなく、次の形で評価される準備をすること。
それが、体との折り合いをつけながら、これからの仕事人生を支える技術になる。