何も変わっていないように見える日々がある。
昨日と同じ場所で起きて、同じ道を歩いて、同じように仕事をして帰ってくる。ふと立ち止まって、自分は今、どこに向かっているのか分からなくなる瞬間がある。
目に見える成果がないと、「止まっている」と感じてしまう。
でも本当にそうだろうか。
植物が芽を出す前には、まず地面の下で根を張る。
どれだけ目を凝らしても見えないけれど、静かに、確かに、地中では大事な準備が進んでいる。
それと同じように、人の成長も、外からは見えないところで進んでいることがある。
うまくいかなかった経験を引きずったまま、それでもやめなかった日。
誰にも気づかれない小さな改善を繰り返した日。
前と同じように見えるけど、少しだけ考え方を変えてみた日。
そんな日々を積み重ねることで、知らないうちに自分の内側に“根”が張られていく。
それは折れにくさであり、ぶれにくさであり、いずれ何かを支える土台になる。
他人からの評価や、目に見える進歩がないと不安になるのは当然だ。
でも焦らなくていい。
今はまだ地面の下で根を張る時期なのかもしれない。
根は深くなるほど、強く、しなやかになる。
見えない成長を信じて、今日も静かに過ごせばいい。
その一日一日が、いずれあなたの歩みに厚みを与えてくれる。