兄弟に「中岡かつ」という姉がいました。
この人は北川武平次信通という、
その地域に名の知れた剣術居合の達人と結婚します。
(明治期には天覧試合に出たりもした人物だそうです)
武平次が結婚を勧められたとき、
いい女がいないと言い、どういう女がよいか尋ねられると、
「岩佐の関所」へひとりで行って帰れる女でないと
だめだと言ったそうです。
「岩佐の関所」は高知県東部にある
野根山街道という道にあるスポットです。
当時はニホンオオカミが徘徊していて、
男でも単独では超えない難所だったそうです。
そのため周りの人は無理難題を言うものだとあきれていましたが、
上記の「中岡かつ」が
なんと行ってしまったそうです。
線香をたくことによって、臭いでオオカミを寄せ付けず、
夜はたいまつをともして野宿したそうです。
岩佐の関所側に兄弟が住んでいて、
帰路はだれかを同行させようとしましたが「かつ」は断ったそうです。
これに負けて、武平次も幼少のころから「かつ」を
知っていたのでめでたく結婚したそうです。
ところが、中岡家は地元ではよそ者だったため、
disられることが多く、
不倫の噂を流され、「かつ」は身の潔白を証明するため
川に身を投げて自殺してしまいます。
そのとき飛び込んだ崖は、
非常に危険なスポットでしたが、
「中岡 慎太郎」が飛び込みを成功させ、
驚かれた場所でもあったそうです。
(情報源)
中岡慎太郎―維新の周旋家 (中公新書)/中央公論社

¥755
Amazon.co.jp