おはようございます。
今月は、「定期的な仕事」は無い予定だったが、急遽「赤字会社」の決算・申告を受託することになり、ここ数日は睡眠時間を切り詰めて仕事をしております。
ところで、今回行なっている「赤字会社」の決算ですが、前年度の赤字が数千万円に上り、本年度も収支の改善が見込めず、そのため従来月5万円の手数料で委託していた税理士(私の全く知らない人)を解約して、私のところに依頼がありました。
(帳簿処理を見せてもらったのだが、私の場合、3か月おきの訪問で、月1万円(訪問ごとには3万円)のペースでこなせる量です。)
この税理士さんは、TKCという税理士・会計士向け業者のソフトを使用(月使用料5千円=上記の5万円とは別途徴収)していたのだが、
「無駄なことをやらせているな~」という印象がしたので、TKCのデータをエクセルを介して弥生会計にコンバートして、会計処理をしていくこととしました。
その中で、会計処理において「絶対やるべきこと」と「やらなくても良いかもしれないこと」について、私の気づいた点を報告します。
①絶対やるべきこと
それは、収入・支出における「絶対額」を確定させることです。この会社は3/末の決算なので、3/末時点での売掛金・買掛金・未払金といった債権債務の確定はもとより、期間内における売上高(請求額)を総額で確定させること、これは絶対やるべきことだと思っております。
理由は、消費税の申告において、「簡易課税」である場合には「売上の総額×8%×業種ごとの%」の算式により消費税額が確定するからです。
また、「簡易課税」ではない場合(本則課税、という言い方をすることもあります)には、年度末時点での買掛金・未払金は確実につかんでおけば、消費税の計算上有利です。
(預かった(又は請求後預かる予定の)消費税から差引可能な、「支払(または請求書が来たので支払う予定)に掛かる消費税」が増える=すなわち、消費税の納税額が減ることとなる)
②やらなくても良いかもしれないこと
この会社は赤字です。赤字会社は黒字にして繰越の赤字を消していくことが最優先になります。
そのためには、
減価償却(高額の支出の固定資産を一度に経費にすると大赤字になるので、固定資産を、何年かに分けて経費としていく処理)
を全くしないか、本来の限度額の範囲に満たない金額での経費化でやめておく、ということが法人税法上許されております。
(個人事業者、個人での不動産所得者については、減価償却は強制適用ですが、会社・法人については任意なんです。だから、限度いっぱいの減価償却は「やらなくても良いかもしれないこと」です。)
他には、貸倒引当金の計上、在庫や有価証券などの評価替えといった、「あえて経費や損金を増やす処理」は「やらなくても良いかもしれないこと」と言えそうです。
参考
http://inspireconsulting.co.jp/blog/%E3%80%8E%E5%84%9F%E5%8D%B4%E8%B2%BB%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E6%90%8D%E9%87%91%E7%B5%8C%E7%90%86%E3%81%97%E3%81%9F%E9%87%91%E9%A1%8D%E3%80%8F%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9/
会計処理・決算・申告において、何を優先すべきなのか、は必ず念頭に置いておきたいものです。