以前の会社には仲の良い単車に乗る同期達が居て、若かった事もあっていたずらをしたりもしていました。

 

悪戯の方法は、キルスイッチを切っておく事。

エンジン掛からないとな〜と悩んでる様を想像してわらい、翌日食堂で昼食とってる時に「どいつだコラ、やりやがったな」と文句を言いに来るのを楽しみに待つのです。

今や絶滅危惧種である2stはキック始動なもんで、真冬の夜だと冷えきって通常でも掛かり難い事もあって気付くのが遅れ、ヘロヘロまでキックしてからキルスイッチ切られてる事に気が付き精神的にもヤラレルいやらしい悪戯です。

体力回復したら回し蹴り喰らわせてやると思うほどに精神削られます。

 

が、それ以上の攻撃がリザーブレバー弄り。

 

昔の単車には燃料計が無い車両が多く、その分ガソリンタンクの燃料コックにリザーブ切り替え機能がありました。

構造は簡単で通常はガソリンタンクの底から少し上の方からガソリンを吸い出し、リザーブはタンクの底から吸い出すのでその高低差分を予備燃料として扱う構造です。

その差分で数十キロ走れたりするのでコレに慣れてると普段は走行距離を気にせず走り、リザーブに成ってからガソリンスタンドへ向かう事に成ます。

 

「あれ?そろそろガソリン給油の筈なのに燃費良いな」なんて疑問が湧けば救われます。

この段階で やりやがったな とコックを触って悪戯されてる事を確認出来るから。

しかし、職場への毎日の足としてもつかってて、ぼんやり乗ってるとまんまと罠に嵌るのですよ。

 

 

あっっっつい真夏の太陽光降り注ぐ、いやもう投げ付けられると表現したい程の晴天。

フレックスを使い正午につかづいた頃、真っ黒な刀で会社へ向かってました。

 

会社まで残り直線道とその中間のクランクを抜ければって場所で急に咳き込む様な動きをする刀君。

え? エンジン? いやガス欠? でもまだリザーブには、、、、、

 

 

 

やりやがったな!!!!!!!

 

 

 

 

慌ててクラッチを切って慣性で進めますが程無く路肩へ停車。

ここらにガソリンスタンドは無い。

覚えてる一番近いガソリンスタンドでも会社を超え更に橋を渡った先だ。次点でも会社とは別方向で論外。

会社へ遅刻の連絡をしようにもスマホどころか携帯電話も無い時代、こんな田舎道に公衆電話も無い。

どうすんだよと頭抱えてる間にも炎天下であっという間にチンチンに焼け出す黒塗りの刀。

 

刀を放置して徒歩も考えた。 残り距離は大した事はなく一駅分程度だ。

しかし、少々治安が悪く制服を着た方々に目をつけられる可能性も高いし、愛車を放置して行くのも忍びない。

覚悟を決めて会社まで押す事にした。

 

 

押して歩くには重たい刀。

ただ座って居てさえ汗が流れる真夏日、幸い平坦地ではあったが数歩で汗がしたたり焼けたガソリンタンクに降り注ぐ。

そして悪い事に真っ黒な刀はエンジンを切ってさえ熱気を放ち私を追い込む。

単車の押し方を耳にした事がある人ならお分かり頂けるでしょうが、単車を自分の方に少しもたれかけさす様にささえ、体を密着させて押すのが良いとされている。

 

 

熱くて出来るか!!

 

 

夏は半袖の私。

ハンドルを握り押す腕がうっかりガソリンタンクに触れようもんなら単車を放り投げそうな位に熱い。

暑いじゃないですよ、熱いんですよもう。。。

 

服の上から布をとおしてさえ熱いんだから単車を押すにも力が入り難いったらありゃしない。

 

重い車体。

力の入らない姿勢。

降り注ぐ太陽光。

風は熱風。

無事に会社へ辿り着いたとて待ってるのは遅刻の叱責。

 

更には凹む気持ちで仕事こなした帰り道はまた単車おしてガソリンスタンドと。。。

よくもまあ心折れずに会社まで辿り着いたもんですよ。

 

 

昼食時、連中を叩き回す元気も無く怨嗟の呪文を唱えるのがやっとでした。

 

 

 

お前ら同期連中はほんとうに、、、、と怒りを通り越してあきれかえられ絶句されてしまったよ。

 

危ないから悪戯はダメよ。