製糖工場で使用する

化学物質の話です。

 

今回もお付き合い頂けたら嬉しいです。

 

 

「水酸化ナトリウム」(苛性ソーダ)

 

化学式はNaOHです。

 

Na+(ナトリウムイオン)と

OH-(水酸化イオン)が結合したものです。

 

苛性ソーダは加水分解したとき

100%分離して

OH-イオンを作るので強アルカリ

(pH 11~14)を示します。

(酸の場合はH+イオンです。)

 

これは水を入れたときにどれだけの

分子が解離して

OH-イオン(酸はH+イオン)

を作りだすか、

という量で決まります。

 

苛性ソーダは100%分離して

OH-イオンを

作り出すので強アルカリ、

アンモニアなどの一部分しか

解離しないものは弱アルカリ、

という分類になります。

 

苛性ソーダは上下水道や工業廃水の中和剤や、

パン等の食品の艶出しや食感改善等、

工業から食品まで幅広く使用されている

化学物質です。

 

苛性ソーダの特性のひとつに非常に強い

「鹸化作用」があります。

 

鹸化とは、油脂をアルカリでグリセリンと

高級脂肪酸塩(石鹸)に分解することです。

石鹸作りに苛性ソーダを使用されるのは

このためです。

 

もうひとつの特性に

放っておくと空気中の水分を

どんどん吸って溶液状となる「潮解性」

という性質があるので注意しましょう。

 

人体にとって危険なのは、苛性ソーダなどの

強アルカリの特徴である加水分解によって、

たんぱく質の結合を分解してしまうことです。

 

人の体はたんぱく質の結合(ペプチド結合)

で出来ています。

よって、

皮膚に付着すると「皮膚が溶ける」のです。

これは放っておくとどんどん深部まで

到達するので、

皮膚に付着した場合はすみやかに流水にて

患部を洗い流す必要があります。

 

火傷のような症状になりますが、

火や油の火傷とは性質が違うので注意して下さい。

 

苛性ソーダを使用する際に注意したいことは、

原液やフレークに対して

直接水を入れたりしないということです。

苛性ソーダは水に溶けるときに

溶解熱を発生します。

場合によっては爆発のように飛び散ります。

これはいっきに沸騰したためで、

「突沸」とも呼ばれる現象です。

 

こうならないためには、水に対して

苛性ソーダを少量づつ入れる

というのが鉄則なので注意して下さい。 

 

苛性ソーダが目に入った場合は

最悪の場合失明する危険があります。

 

それと高温によって発生する水蒸気

(ミスト)を吸い込むと

粘膜を火傷する場合もありますので、

苛性ソーダを扱う際は安全メガネと

防塵マスク、ゴム手の着用を徹底して下さい。 

万が一身体に付着した場合はこすらずに

大量の水で洗い続け、

医師の治療をうけることが必要です。

 

いかがでしょうか?

覚えて欲しいのは性質と危険性です。

 

苛性ソーダを扱う際の注意点

 

空気中の水分をどんどん吸って溶液状となる

 「潮解性」という性質があるので、

 保存には注意する。

皮膚に付着すると加水分解によって、

 皮膚が溶ける。

 深部まで到達する前にすみやかに流水にて

 患部を洗い流す。

苛性ソーダは水に溶けるときに溶解熱を

 発生する。

 水に対して苛性ソーダを少量づつ入れないと

 「突沸」する。

苛性ソーダが目に入った場合は最悪の場合

 失明する危険がある。

高温によって発生する水蒸気(ミスト)

 を吸い込むと粘膜を火傷する

 

これらのことを覚えて欲しいと思います。

 

以上、3回に渡って塩酸、硫酸、苛性ソーダの

話をしまたが、いかがでしょうか?

 

これらの化学物質は性質と特性を踏まえて扱えば

安全に使用できるものです。

今後使用する機会があれば、これらのことを

思い出して扱ってもらえれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

 

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