経済古典は役に立つ

 

経済学は、数式も入ってくるし、難しい、とっつきにくい。

でも、この本は、著名な経済学者が確立した理論につき、生い立ちや当該理論が確立した背景についても併せ論じながら、説明がなされる本。

大変、読みやすかった。

いわゆる、この経済政策は、ケインズ的

だなんていう批評がいかに的外れのものであるかがわかった。

これまでの経済理論は、あくまでも、ある経済状況があった際の処方箋に過ぎない。

事情がかわれば、当てはまらない。

だから、単なる~的という批判は、間違いなのである。

少し古めな本であるが、大変よかったと思う。

 

さて、シュムペーターという学者が銀行家についての言及がある。

『企業者と生産手段を仲介する銀行家の役割は、シュムペーターが考えた資本主義のダイナミズムのなかではきわめて重要な役割を果たしている。企業者にとっては生産手段が重要である。しかし、自らの収益ですべての生産手段を賄うことはできない。必ずもうかるようなプロジェクトでも、初期の設備投資額を一気に賄うことはできない。企業者にとって信用創造の役割を担う銀行家が必要なのである。

シュムペーターは、銀行家は「交換経済の監督者」だと言ったが、銀行家にはリスクの最後の引き受け手という役割がある。資本主義にとってイノベーションは重要であり、それを担う企業者も重要だが、イノベーションのリスクの最後の担い手は銀行家だということである。

銀行家がリスクの最後の引き受け手であるということから導き出される、一つの結論がある。それは、銀行家こそが社会の最大の戦略家でなければならないという点である。~(中略)

IMFや世界銀行の設立が決まったのだが、背後で活躍し当時の政府首脳に知恵をつけたのは、ウォールストリートのフィナンシェたちだった。リスクの最後の引き受け手である彼等は、戦争によって失うものがあまりにも大きいからである。そういう意味で、銀行家こそが最高の戦略家としての役割を果たしたのである。』