『ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、わたしはためらう。』
この一文で物語を始められるという才能に触れる。
だれかの真似をする必要はないけれども、自分の個性がこのレベルに到達することはないだろう。
頭から否定してしまう。自然と。
こんな破壊力と若干の絶望を感じながら読み進める。
繊細に感じることができても、それを具現化するツールを欠いている。
これを私よりも若年で書き上げる能力。