上も下も真っ黒い中を飛び続ける。
水平にどこまでも。
下を漂う黒い雲には一応抑揚がついているけども、
大した余興にもならないし
視覚を起きているはずなのに
だんだんと同じに見えてくる。
いつ乱気流が発生するか分からない。
雲の乱れがあればというけども、その雲が自分の下にあるのなら、それも分からない。
いつ巻き込まれるか分からない中で進んでいく。
太陽は?と目を凝らすも
地球の裏側を照らしているから、会えない。
真っ黒い空間はひたすら寂しさを募らせるけども
ワクワクしている自分がいる。
夜遅い時間に、ふと街中を歩くと心の底からワクワクするのに似ている。
私は、紛れもなく黒い空間に呼ばれていて、どこか飲み込まれたいとも思ってる。
さらに話をクローズアップしていけば、夜の海で
ひとしれず飲み込まれたいと思う時がある。
波を目の前にすると、とても怖くなるけど
でも、自分をさらっていくであろう波は
どこか繊細で穏やかに見えるのである。
音は、怖い。
たぶん、助けを求めてもかき消されるんだと思う。
人間がどう足掻いても勝てないものに一度は服さなければならないと思ってる。
それを初めて感じた場所は、冬の鎌倉の夜であった。
波の音を聞いて、波打ち際まで引き寄せられるのである。
引力は地球と月とか言うけれど
私と夜の海もそのような関係が見出せると思ってる。
ただし、酷く一方的。
でも、甘受せよ。
暗く見えにくい世界にいるからこそ、希望というかヒカリを探して、走り出せるのではないのかな。
いまは、その中にあって、抜け出せないところで、走り続けている。
夜間飛行。
朝を求めて飛び続け、民家の消えそうな灯りを探して、自分の位置を知るのである。