冬を目前に控えた時期からすれば考えられないほど暖かな一日。
麗らかな一日なのである。
無色透明で冷んやりした風と
これもまた無色透明な陽射し
そして、この無色透明の作用によって
なぜかラメの混入のない黄色が煌びやかに輝く。
この目に飛び込んでくる銀杏は、総じてキラキラと光っていて、思わず目を閉じてしまう。
美し過ぎて、目を開けてられない。
この世で美しいものって、実は直視できないものなのかもしれないって考えるほどなんだ。
風が吹いて銀杏がチラチラと落ちていく。
我儘だから、最後まで自分の美しさを見せるように散っていくから、やたら遠回り。
自由落下の速度と、遠回りの速度をイメージできるから、頭の中と視覚から入る情報に齟齬が生まれる。
生まれると、なんだろ、時間が延びている。
一瞬が1秒になって、1秒が10秒になって
だから、この一瞬に色々と考えが浮かぶ、気づく。
呼吸を止めている。
瞬きをしないようにがんばってる。
足が前に動かない。
銀杏の魔法にかけられて
最後まで釘付けにさせられるのである。
分からないけど、こんなに美しい景色をみずに、素通りしてしまうとか
カミサマが目をプレゼントした意味を没却していると思うよ。
どんどんココロが洗われていくキモチになるんだけど。
キリスト教の教えでは、罪深きニンゲンということであるが
そのせめてもの償いが
自然の美しさのために足をとめることだとしたら、ワタクシは順調に
この世の悪事から足を洗っているのである。