球技系のスポーツにはおよそ、ありえない概念であろうが

競泳(や陸上の短距離)では、0.01秒の差で負ける。

姿勢がいいとか、意気込みがあるとか、そんなことは関係ないし

サッカーで他人の手にボールが偶然当たったから、PKをもらい劇的な逆転勝ちということもない。

奇跡がありえないスポーツであるからこそ、その積み重ねてきた努力が如実に反映されることが証明されるのである。

 

昨日の競泳の日本学生選手権最終日の最終種目である男子800mFRのA決勝。

天皇杯、すなわち総合優勝がかかった大事なレース。

リオ五輪で金メダルを獲得した萩野、今大会200m自由形で優勝した選手を擁する東洋大学のリレー優勝はほぼ確実視されていた。

萩野の頭の中では、同日の400m個人メドレーで優勝、リレーで優勝、男子総合優勝であっただろうが、結果としては、400m個人メドレーの優勝、リレーは準優勝、男子総合優勝も逃すことになった。

明治大学が怒涛の追い上げを見せ、第4泳者がタッチの差(0.32秒差)で勝利したのである。

第2泳者までは、東洋大学がぶっちぎり。身体2人分くらいのリードをつけていた。

第3泳者が終わり、これは追いつくのではないか?という会場の熱気。

そして、第4泳者のラスト50m、ラスト25m、ラスト5m。

だれもがタッチの差だと考えたし、会場の熱気は最高潮。

タッチした瞬間、一瞬静かになって、電光掲示板を一同が確認するのである。

その後、会場が爆発したかのような歓声。

萩野に負けてほしいだなんて、そんなせこいことは考えていない。

とにかく、心臓の鼓動が外部に聞こえてくるくらいの

あまりの心拍数の上昇で心臓が外に飛び出すくらいの興奮を味わいたいから

このインカレのこの最終種目を見に来ているのである。

大変、熱かった。

近年まれに見るレースであったと思われる。

 

さぁ、そして、0.32秒で勝利した興奮、0.32秒差で敗北した悔しさ。

あのような興奮するレースをしたいという憧れ、来年は必ずこの舞台で泳ぐという強い気持ち。

第4泳者がタッチをした瞬間、今シーズンの競泳は終わったけれども、同時に始まったのである。

新しいシーズンは静かに始まっているのである。

終わりから始まるという典型例に私は、気付いていなかった。

休憩もなく、間髪も入れずに。

シーズンの合間もない。

エンジンの旋回は止まらないのである。

 

ここ最近は、競泳に生かされている。

 

 

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