Tちゃんとの刑法の自主ゼミ。

ロースクールで友達と議論をする意味を実感したかもしれない。

 

単純な話。

医療行為に対して、傷害罪の構成要件該当性を検討した後、正当業務行為として違法性阻却するのが多数説。

少数説は、そもそも傷害罪の構成要件該当性がないってする。

普通のロースクール生の議論なら、「いや、多数説でよくね?」みたいな乾き切った空気になるだろう。

でも、Tちゃんは、医師免許がなくても、目の前の人を助けたいとか治したいと思って医療行為に及んだニンゲンに対して、傷害罪の故意を認めるっておかしいと思うって。

医者ならではなのか、いつでもお医者さんの立場にたって、モノゴトを考えることができたと思うのに、そこまで気持ちをいれて考えたことなかった。

説得がしたいとかの問題じゃなくて、価値観というかそういうレベルの問題なのかな。

私くらいの年齢の学生は、大学卒業したばかりでまだ社会に出たこともないし、結局、予備校のテキストや教科書に載ってることを暗記してか理解して吐き出すだけ。

でも、Tちゃんのあの考えは自らの経験や考え方が伴っていて、コトバに重みがあって、すごく強いメッセージだったように振り返ってる。

 

もちろん、だから少数説に傾倒するようなことはない。

傷害罪の故意は、傷害行為をしていることの認識又は認容があるかないかで決まる。

医療行為、たとえば、手術は人の身体を切っていくわけだから、人の生理的機能を侵害している。

刑法学における故意は、もっと簡潔でいて温みのないものでなければならない。

Tちゃんの医療行為における故意には、なんだか人間的な感情が入り込んでいる優しい故意だった。

 

 

o1-o7