映画『シカゴ』を観ていたとき、

びっくりするセリフに出会った。

 

 「きみはぼくの話より、目で見ているものを信じるのか!?」

 (うろ覚えだけど意味は確かこんな感じ。日本語字幕より。)

 

 一瞬、何を言っているのか意味が掴めなかった。

 常識外れ、というか、私が知っている常識の真反対のことを言っていたから、頭の中でなかなか話が進んで行かなかった。

 

 意味が分かると、

笑いが込み上げてきた。

それから、不安、それから、恐怖。

 

 おかしなことを言っていておもしろい、

というシーンだと思うのだけど、

それはつまり、そのセリフを「おかしい」と思う人がいるから、

「おもしろい」シーンになるので。

 

 でも、今、この時代において、

または、これから先の時代において、

ちゃんと、「おもしろい」シーンになるだろうか。

なってくれるだろうか。

私、ちゃんと、笑えるだろうか。