今週の神戸は晴れていますが、先週は雨でした。
咲き誇っていた桜の花弁もずいぶん散り落ちて、いつの間にか、春の通過を感じる今日この頃です。
今年は全国的に桜の開花が早く、特に東日本や東北でその傾向が強かったとか。
何だか年々早くなってきている気もするのですが、私にとって東北の桜は、GWごろまでもってくれるかどうかが境目です。
思い返せば平成22年(2010)のGWですから、今から16年前。初めて車で東北を旅したとき、桜前線はちょうど東北地方の桜を満開に咲かせていました。
おかげで旅の先々で、私は桜吹雪や花霞、花のあかりに魂を抜かれるような日々を過ごしたのでありました。
山形城跡にて(2010春)
今年は東北の桜はお預けだなあ…
とか思いながら、先日ネットニュースを眺めていたら、なんと天皇陛下ご一家が福島県を訪問なさっていました。
東日本大震災から15年目の節目となる今年、天皇陛下は双葉町、楢葉町、広野町、富岡町、大熊町、浪江町など6町を巡られ、復興の状況を視察されました。
ちょうど「夜の森の桜」が満開で、出迎えた地元衆からも喜びの声が聞かれていた様子。
被災地の復興を願ってきた者として、また東北ファンの一人として、これほど喜ばしいことはありません。
富岡町内にて(2017春)
私にとっては2017年。避難指示の大部分が解除されたと聞いて、初めて訪ねた富岡町は、まるで人の気配のない目抜き通りが印象的すぎたました。
今やおなじみとなったオールドメディアによる世論誘導もひどく、「復興」という言葉さえ遠慮させてしまうような風評被害もありました。
が、この時すでに富岡町は複合商業施設「さくらモールとみおか」をオープンさせ、生活の回復に向けて歩き出していたのでありました。
JR富岡駅にて(2017春)
そう、富岡町にとって桜は特別な存在です。
それは先日、あの見事に咲いた夜の森の桜並木の下で、富岡町民が旗を降って天皇陛下ご一家をお出迎えしたことに象徴されましょう。
夜の森の桜は、福島第一原発から約7㎞の位置にあります。植樹がはじまった明治時代より、およそ100年にわたって富岡町民が守り伝えてきました。
東日本大震災のあと、避難指示区域に指定された富岡町から人がいなくなっても、春になれば満開の花を咲かせて町民を勇気づけてきました。これが地域の誇りに、復興の希望にならないはずがありません。
夜ノ森の桜並木にて(2019夏)
だから私はぜひ一度、夜の森の桜をこの目で見たいと思って当地を訪ねてみましたが、無念にも開花の頃に休みを取れず、夏の桜並木を歩きつつ、春の盛りを偲んでみたこともありました。
とみおかアーカイブ・ミュージアムにて(2024秋)
とみおかアーカイブ・ミュージアムは、「震災を富岡町の歴史に位置づける」ための博物館です。
2021年に開館した新しい館内には、のちに回収された多くの震災資料だけでなく、震災前の日常だった町の姿も紹介されています。
館内にはJR夜ノ森駅構内が再現され、背景に夜の森の桜も映し出されていました。
先日ここを視察された天皇陛下も、きっとこの様子をご覧になったでしょう。
あの震災から15年。
天皇陛下がかつての被災地を巡って桜をご覧になったことは公の歴史となり、私が見届けてきた被災地にまつわる記憶や映像も、私の中での歴史になりました。
16年にわたって続けてきた私の東北紀行も、あと何年続けられるのか神のみぞ知る。
なれば今年も行かざるを得ますまい。
そのための休暇と原資をもたらしてくれる、明日の仕事に感謝しつつ。
訪れたところ
【夜の森の桜】福島県富岡町夜の森北2丁目
【とみおかアーカイブ・ミュージアム】福島県富岡町本岡王塚760₋1




