落人の夜話

落人の夜話

城跡紀行家(自称)落人の
お城めぐりとご当地めぐり

ホテル福島ヒルズに泊まった夜、さて夕飯をどうしようかと考えて、街へ出ることにしました。

この街には、全国のご当地ラーメンを食べ歩いて…

いることもある自称ご当地ラーメン愛好家の私が、勝手に暫定日本一に認定するラーメン屋さんがあったのでした。

 

 

ホテルの方に申し出たら自転車を貸してくれました。

これは有り難いですねえ。

自転車なら目的地まで、鼻歌を歌いつつ5分ほどでしょう。

 

 

ということで、福島市の繁華街「パセオ470」にやってきました。

ここは全長470mの商店街で、「パセオ」は「散歩道」を意味するイタリア語だそうです。

もともとは「すずらん通り」という名の昔ながらの商店街だったのを、平成に入って改装されたのだとか。「歩車共存」の設計のもと、樹木や街灯を配した素敵な通りになっています。

 

その通りに面して「こらんしょ横丁」がありましてね。「こらんしょ」ってのは会津の言葉で「いらっしゃい」の意。

商工会議所の青年部が企画した5軒の店が入る横丁で、目指すラーメン屋さんはこの中です。

まだうす明るい晩夏の夕、しかし陽はつるべ落としに落ちてきています。

 

 

お、あったあった。

ここです。勝手に暫定日本一の「ラーメンいいね」。

まだ開店したばかりのようですが、暖簾が出てますね。

 

 

「こんちはー」

 

と暖簾をくぐったら、店主は忙し気に手を動かしつつ

「あ、いらっしゃい」

と、軽快に応じてくださいました。

カウンター席のみの店内、まだ他のお客は来ていません。しばしの貸切です。

 

メニューを眺めて「季節のラーメン」に惹かれますが、ここは安定の「煮干し白醤油ラーメン」を注文しましょう。

 

「お客さんはどちらから?」

 

カウンター越しに店主が声をかけてくれます。

どうやら地元民でないことはすぐわかったようです。

 

「実は去年も来まして…」

 

と、去年はじめて、たまたま来店したこの店のラーメンの美味さに驚いたこと、特にスープが絶品で飲み干してしまったこと等を伝えたら、店主はちょっとはにかみつつお礼を言って下さいました。

 

 

お、出て来ました「煮干し白醤油ラーメン」。

これですよこれ。

この自家製焼豚と鶏ハムがまた旨いのです。湯通ししたプチトマトと揚げナス、三つ葉の彩りも見事です。

まずはこの、澄んだ醤油系あっさりスープを一口…

 

ああ、うまい。舌に染み入るような旨味がすごい。

続いて鶏ハムを一口かじり、弾力のある細麺をずずっとすすります。

 

この店が東京の繁華街にあればきっと行列でしょうが、仕込みに手間がかかるそうで、店主としては今くらいが丁度いいのだそう。

まあ、お陰で私もこうしてゆっくり食べられる訳です。

 

「今日は市内にお泊りで?」

 

店主が聞かれるので、待ってましたとばかりに答えます。

ええ。福島ヒルズってホテルに宿をとりました。あの宿のすぐ前の県庁は、むかし福島城ってお城があった跡なんですよ。

あと、近くには長楽寺ってお寺があって、そこには本庄繁長の墓が…

 

長楽寺にて(本庄繁長の墓)

 

おっと。思わず戦国マニアの地が出てしましました。いきなり堅気の方に浴びせる話題ではありません。

ここは照れ笑いでごまかしましょう。

 

「福島にはよく来られるんですか?」

 

気さくな店主が重ねて聞いて下さるので、それに甘えて答えます。

ええ、この15年ほど、毎年のように来てます。観光ですけどね、車窓観光を含めたらたぶん県内の全市町村を回ったと思います。

今回は福島競馬場に競馬を見に来ました。私の推し馬がレースに出るんで、その応援です。あそこはきれいな競馬場ですね。ご当地グルメを出してくれる店も入ってて、円盤餃子ってやつ、あれを食べましたよ。

 

 

福島競馬場にて。

 

「競馬ですか。私も若い頃ははまってて、佐藤哲三って騎手がジャパンカップを勝ったのが…」

「タップダンスシチーですね」

「そうそう、あれが…」

 

と、店主としばし懐かしの競馬談議に花が咲きかけたとき、次のお客さんが入ってきました。

店主の貸切時間はここまでのようです。

器に残ったスープを飲み干し、「また来年来るかも知れません」とご挨拶して、「ラーメンいいね」を退店しました。

 

 

まっすぐ宿へ帰るのももったいない気がして、JR福島駅周辺をぶらついてたら、駅上空に高々と宵の明星があがっていました。

駅構内のショッピングモール(S-PAL)がまだ開いてますね。ほどよく人通りがあっていい雰囲気です。ちょっとウインドウショッピングでもしていきますか。

 

 

おや。いつの間にか「ずんだシェイク」を手に持ってました。

S-PALの中に「ずんだ茶寮」って店が入ってて、そんなん無視できませんでしょう?

ということで、駅を背景に記念撮影でもしておきましょう。

 

東北の旅にはまってもう15年かあ。

そりゃ歳を取るわけですが、そのぶん昔と今の変化を実感することができる訳です。

ひとり感慨にふけりつつ、福島の夜は更けたのでありました。

 

 

 

 

クローバー訪れたところ

【福島競馬場】福島市松浪町9-23

【ラーメンいいね】福島市置賜町8-6(こらんしょ横丁内)

【長楽寺】福島市舟場町3-10

【S-PAL福島】福島市栄町1-1(福島駅構内)