★★★★☆(★4.5)
インフルエンザに感染して自宅待機中の為、
いつ購入したのか、誰かからいただいたのか身元が知れない、
しかし確かに書棚に埋もれていた一冊です。
この一冊が実に面白かった。
久し振りに、「誰かに紹介したい!」そう思わせる芳醇な一冊に出逢った。
例えるなら、美味なる料理の逸品に出逢ったときの感動、
例えるなら、思わず目を奪われてしまうような女性に出逢ったときの感動、
それらと似たような感動が、この一冊にはある。
こういう一冊との出逢いがあるから、読書はやめられない。
全六編からなる短編連作ミステリーなのだけれど、
物語は、三軒茶屋のビアバー「香菜里屋(かなりや)」を中心に展開していく。
六編いずれも秀逸であるのはもちろん、一編から最後までの流れに淀みがない。
連作であるから、一編から順にお読みいただいた方がいいです。
それは、前菜にはじまり、サラダ、スープ、メインディッシュの
魚料理・肉料理と続いて、デザート、珈琲・・・
と続くフルコースのように感じられるから。
久し振りにバーに行きたくなって、検索しました。
出来れば、「香菜里屋(かなりや)」のような料理のおいしいバーがいい。
バーでは、あれこれ喋らずにひとり思索にふけるか片手に文庫本があれば最高。
インフルエンザを治したら足を運ぼう。
=========================================
願はくは花の下(もと)にて春死なむ
そのきさらぎの望月のころ
西行
=========================================