⭐朝、出勤のため車に乗ろうとすると【立山さん】が玄関から出てきて、

「自分の車で行くの❓」

と聞いて来たのでそうだと答えた。

　その後、立山さんは親方の車の方に行って何やら話した後また自分のところに来て、親方の車に同乗して現場へ行くようにとの事だった。

　立山さんは秋田県に来た初日に再会した、福島県で何度か一緒の現場で仕事をしていた人で、彼の独特のパフォーマンスが周りから敬遠されていて、正直自分も彼は苦手だった。

　車内に親方と二人きり、親方は関西弁全開のおじいさんで、関西弁だからという訳とは別に話や振る舞いからなぜか優しさを感じられなかった。

現場に到着、朝礼後に親方は私を所定の作業場所に送ってくれた時に、

「わしゃあ作業場所が違うからまたここに来るの面倒くさいから、他の車で休んでな」

と言うと去って行った。

　私の作業場所には仮設トイレやベンチもあるので別に休憩は大丈夫だが、確か新規入場の時に現場での食事はダメと聞いた気がする。

なので、お昼はこの場所で作業する他のメンバーの車に乗せてもらって食べるしかない。

　そして予定通りお昼は親方ではないメンバーの車に乗せてもらって食事をした。

私は前日にユニバースで買ったパンを食べていた。すると運転席の【仲田さん】が、

「どうしたのパンなんか食べて、節約して貯め込んでんのがい」

と聞いてきた。

「いやいや、違います。」

私はそれだけ答えたが、シン・の理由は安くて手軽に食べられるからだった。

それからすぐに親方の話になり、

「ヒドイよね、自分で連れて来たんだがら乗せでやればいいのに」

「あの人自分勝手だがら、面倒見も悪いし．．．、」

「会社の車なんだからよ〜」

　正直、朝一緒に来る時から余り優しくない、自分の事中心だなあという印象の親方だった。

　午後の作業も終えて待っていたら、さすがに帰りは迎えに来てくれたが、車に私が乗る早々会社から連絡があって散々だったと話し出した。

話はこうだ。

私が休憩やお昼に休むところが無くて困っている、なぜに車に乗せてやらないと。

私は、

「いや、自分は何も会社に言ってません
よ、お昼もこっちの車で休憩しましたしっ！」

と焦って言うと、どうやら私を車に乗せて休ませてくれた社員がいつもながらの親方の理不尽さに見かねて会社に、

「宿から一緒に現場に来ているのに車で休ませてやらない」

と報告したらしい。

幸か不幸か尚更苛つく親方と一緒に帰る事になった。

こんな調子の親方と毎日通勤かと思ったら憂鬱になったがそんな親方からこんな発言が出た、

「ワシ、明日から五日間資格取りに行って来るから明日から自分の車で通って」

「その後も、ワシらと違う場所で作業してるからワシも迎えに行くの大変だから、自分の車で行って」

と、結局乗り合いはこの日一日だけで、翌日からまた自車になる。チョイとホッとしたが燃料代を考えるとやれやれだ💧

２０２４年５月９日（木）

ほぼ青森より <６>