司法書士試験合格後の就職活動
今日は司法書士試験合格後の歩み方を書いておこうと思う。特に、司法書士業界に始めて足を踏み入れる方用
だ。どこぞの事務所で勤務した経験がある方は読み飛ばしてもらって結構だ。
司法書士事務所への就職活動だが、昨今の不況もあって、そうそう自分の希望通りには行かないことは覚悟し
ておいたほうがいい。ま、即独立するならともかく、大抵の方は修行先の事務所を見つけることになるだろうが、
これがなかなか大変だ。以下、ポイントを整理しておこう。3つほどある。
①求人をどこで探すか
②事務所の雰囲気をどうつかむか
③給料の安さをどう考えるか
まず①だが、司法書士事務所の求人は非常に特殊だ。転職サイトにもほとんど掲載がない。東京と千葉なら司
法書士会のHPに求人が載っている。他の県の書士会は、まず、電話で聞いてみるのがいいだろう。あとは、「東
京法経学院」のHPにも求人が載っている。たまに、東京、千葉以外の他府県の求人も掲載があるので確認して
おくといい。次に、人材派遣会社への登録も検討しておこう。勤務希望地域にもよるが、求人情報に記載のない
事務所への就職も可能かもしれないからだ。とにかく、事務所探しは、いくつかの方法で手当たり次第に手を打
っておいたほうがいい。
次に②だが、これはなかなか難しい。ま、所長との面接で推し量るしかないのだが、実際のところ、入所してみな
いと分からないことの方が圧倒的だ。しかし、気に入らなければ、あっさりやめるのも手だ。君達は、既に司法書
士の資格を有している。事務所はこっちを評価しているが、君達も事務所を評価していいのだ。勢い、司法書士
の離職率は結構髙いし、事務所もそんなに気にしていない。
最後に③だが、一般企業を退職して、晴れて、司法書士になった方、いわゆる脱サラ組はこの現実が一番きつ
い。がんばって、勉強してきて、初任給がこれかい?という額しかもらえない事務所が大半だ。しかも、社会保険
や厚生年金に加入していない事務所なんて、ざらにある。ま、地域にもよるが、概ね18万円~30万円ぐらいで
はないだろうか。しかも、賞与なしの事務所もあるし。上記金額を支給されたところで、年金、保険を払えば、実
質的な実入りは更に少ない。いきなり、つらい現実を味わうことになる。私もあまりよくない風習だとは思うが、
「経験させてあげてるんだから、この金額で我慢しなさい。どうせ、独立するんでしょ?」という考え方が、司法書
士事務所の所長さんの考え方の大勢を占めているのではないだろうか?ま、たしかにそのとおりかも知れない
ですがね。昨日に引き続き、あまり明るいネタではないが、これが現実だよ。いやなら、早く独立しろってことさ。
でも、私からしてみたら、給料払ってあげられるだけすごいと思うけどね。よく、同期で飲んだりするけど、大抵、
皆さん、勤務先のボス(所長)への苦情をつらつら酒の肴にしているけど、俺から、言わせて見たら、「いやなら、
独立しろ、そんな嫌なボスから、給料もらってるのは誰だ?」といいたくなるときもある。司法書士という資格、生
かすも殺すも結局自分次第でしかないのかもしれない。