相続登記と戸籍
仕事柄、戸籍を収集することがあることは、お話しましたが、そう悪い話ばかりでもない。
故人の戸籍を収集するとき、古いものは、明治時代や大正時代まで遡ることがざらにある。登記の申請が終わ
ったあとは、依頼人に返還するのが普通だが、喜ばれることもある。何しろ古いので、忘れかけてた祖先を思い
起こす契機にもなるようだ。
相続登記はそういった意味で、やりがいがとてもある。仕事なので、報酬はいただくが、やはり、喜ばれる仕事と
いうのは、いいものだと、つくづく思う。
昨今の若手の司法書士は、とかく、登記だけでは、食っていけないので、裁判関係に仕事の重きをおきがちだ
が、私は、少しこの風潮が悲しいと思う。確かに、私も裁判関係の仕事をしなければとは思うが、何のために、不
動産登記法の勉強をがんばってしたか分からなくなるようでは、本末転倒ではないだろうか?
司法書士試験に合格して、晴れて司法書士になった方には、ぜひ、相続登記をがんばってこなしていただきた
いと、私も新人のくせに思ってしまう。雨だからかもしれないが、物憂げな気持ちで書いてみた。