入江真潮ですよ。



お父さんの仕事の都合で転校してきた陽水くんはとても変わった小学生だ。




家はリバーサイドホテルだし、雨が降れば傘がないと騒ぎだし、一緒に傘を探そうとすると、それより僕とおどりませんか?と夢のなかへ誘う。





いじめっ子にけんかで負けても飾りじゃないのよ涙はと言って絶対泣かなかった。








夏休み、昆虫をとりに出掛けたときはあんなに一緒に楽しく遊んでいたのにカブトムシを壊してしまった。








そんな陽水くんも一年で北海道に転校することになった。











お別れかいで彼がしみじみと少年時代を歌うと全員が泣いた。












転校後、しばらくして彼から手紙が届いた。









封を開けると

毎日、吹雪吹雪、氷の世界とだけ書かれた一枚の便箋だけが入っていた。