診察室を後にして、待合に座っていると診察室から看護師さんが現れた。


大丈夫?じゃないよね?


言葉を聞いた瞬間、必死で抑えていた涙が溢れた。


大変なことはあるかもしれないけど、一緒に頑張っていきましょう。


泣きながら頷くしかできなかった。


帰宅後は、娘の前で泣かない様に明るく振る舞った。


そして、最近わがままが増えた娘にとことん甘くなった。


一人になると勝手に涙が出てくる。


ネットでターナーについて調べまくった。


海外のサイトやブログ、とにかく情報が欲しかった。


心疾患、腎奇形、中耳炎からの難聴。糖尿病。

空間の把握が苦手。四肢の短縮。

そして不妊。


なんでうちの子が?


そして、ネットで検索するたびに不安は増していった。


しまいには自分の卵子を凍結保存できないか、不妊専門のクリニックに問い合わせたりもした。


当たり前だけど、答えはノーだった。


どうにかして娘に選択肢を残したかった。


この頃はネットで検索しては不安になり、精神的に不安定になった。


そのせいか胃炎、不整脈がひどくなった。


ネットで調べた不安を両親に相談すると、父が言った。


どんなことがあっても愛しているには変わりないだろ?


父の言葉になんだか少し楽になった。


そして、同じ悩みを抱える仲間が欲しくなった。

娘はX染色体が一部欠損している型だった。


染色体検査の結果には娘の染色体の写真が載っていた。


そこには少しかけたX染色体があった。


こんな小さな欠損で?


ほんの少しだけじゃない。


何でうちの子なの?


生後4ヶ月で脳血管腫のスタージウェーバーを指摘されて泣きながら帰ったこともあった。


2歳の時にはてんかんの発作を起こして、発作の様子を記録するために、泣きながら動画を撮った。


3歳の時には高所から転落して、意識を失い救急車で運ばれたこともあった。



娘が生まれてから、何度となく絶望のどん底に突き落とされた。


思い出すだけで心臓をぎゅっと掴まれるような気分になる。


何で?


どうして娘にばっかりこんなことが起きるの?


私の娘からこれ以上何も奪わないで‼︎


そんな気持ちでいっぱいだった。


今日の診察の時に、先生に


心配しすぎてストレス性胃炎になっちゃったんですよ〜。何も無くて本当良かったです。

って言うつもりだったのにな。