まず、クロス(インブリード)とは、例えば、父系にNorthern Dancerが4代目にいて、母系にNorthern Dancerが5代目にいれば、Northern Dancer4×5という。
そんなクロスの中で、重要なクロスが存在する。
それは、まず牝馬クロスである。
なぜなら、牝馬の血が2つの方向へ繁栄していって、何年も何十年先にクロスしてはじめて牝馬クロスがうまれるからである。だから、牝馬クロスを発見したら、チェックして、私は忘れないようにしている。
例えば、ディープスカイの母アビは牝馬Miss Carmie4×3。ストロングリターンの母コートアウトは、牝馬Smartaire3×4。こういった牝馬クロスを持つ繁殖牝馬は、いずれ大きな仕事をする可能性があり、活力溢れる繁殖牝馬である。
さらに例をあげると、日本で一世を風靡したノーザンテーストは、Lady Angela3×2の牝馬クロスで、Lady AngelaもCanterbury Pilgrim4×4の牝馬クロスを持ち、Canterbury PilgrimもBanter5×5の牝馬クロスを持つ。
さらにサンデーサイレンスの父Haloは、牝馬Mumtaz Mahal6×5。また、サンデーサイレンスの2代父であるHail to Reasonは、牝馬Plucky Liege4×4である。
そして、ノーザンテーストとサンデーサイレンスが出会うと、ノーザンテーストの父Northern Dancerの2代母とサンデーサイレンスの父Haloの2代母が同じであるから、牝馬Almahmoudクロスが発生する。まあ、これがサンデー系とNorthern Dancer系が相性がいい要因のひとつだろう。さらに更に、Nasrullah系がNorthern Dancer系、サンデーサイレンス系と出会うと、Almahmoudの父母母Mumtaz Mahalが、Nasrullahの2代母と同じであることは、ただの偶然ではなく必然である。また、サンデーサイレンスの4代父Royal Chargerの3代母がMumtaz Mahal。
Mumtaz Mahalの母は、あの歴史的大繁殖の名牝Lady Josephineである。
Lady Josephine (牝 1912)
|-- Lady Juror (牝 1919)
| `--Fair Trial (牡 1932)
|-- Mumtaz Mahal (牝 1921)
| |-- Mah Mahal (牝 1928)
| | `--Mahmoud (牡 1933)
| | ( `--Almahmoud 牝 1947)
| |-- Mumtaz Begum (牝 1932 )
| | |-- Sun Princess (牝 1937 Solario)
| | | `--Royal Charger(牡 1942)
| | |-- Nasrullah (牡 1940)
| | `--Rivaz (牝 1943)
こういう牝馬クロスは、偶然起きたことではない。血統表の何代か奥に存在するまで数十年も淘汰されずに、生き残っているということは、その血の父も母も、自身も、きょうだいも、その仔も、孫も、曽孫も、すべてが優秀な血でないと実現できない。
そして、、、
牝馬クロスは、
サラブレッドの配合の歴史の中では、
常識であり、、、
そして、、、
牝馬クロスが、
サラブレッドの歴史の中で、
名血の発展において重要であることがわかる。