無き人をホタル眺めて待ちにけり

 

千年の闇夜を踊る蛍哉

 

蛍火やうつつの彼方行き戻り

 

色々と思ふ事あり蛍哉

 

月隠れ蛍散りゆく能舞台

 

けふの朝逝きし人あり蛍舞ふ

 

恋破れ白い蛍のフォルテッシモ

 

辻堂の祠を覗く蛍哉

 

蛍火とじゃれ合ひながら恋模様

 

心経に酔ひ痴れて舞ふ蛍哉

美蟲角ですからね。

たまには美しい虫を詠まなくてはなりません。

ムリヤリ感があるのはご愛敬。(^^♪

「無き人」は「亡き人、黄泉人、来ぬ人、ゐぬ人」などと随分迷いました。

最後はどうでもよくなって「無き人」に。

蛍火にもゆる草葉や雨の岸 (子規)