暖かや風くる窓に好きを知る

 

蒲公英やおでこに風の通学路

 

山宿や男三人春炬燵

 

たかそふなマフラーふわり振り向きて

 

木枯らしに負けじと叫ぶ仔牛かな

 

寒月や少しタレ目で父帰る

 

夕映えに立ち向かっているつくしんぼ

 

うぐひすや合格通知の来る朝に

 

初歩み雛壇に三歩近寄りて

 

春泥やバスの中にて握り飯

例によって

あちこちで詠み散らかした句をまとめたものです。

 

信州松本市で暮らしていた頃,

厳寒の冬に凍り付いていた雪塊が日に日にぬかるんでくる感覚。

つまり春泥の季節が好きでしたね。

春泥の道も行程なりしかな(稲畑汀子)