一時期、日比谷に個人オフィスを構えていたことがある。

M&Aとか、いろいろ秘密裡に動くこともあったりするから

ガラス張りの東京支店内というわけにもいかなかった。

 

それに日比谷公園を突き抜けたら霞が関というのも好都合だった。

許可事業なので、事ある毎にお役所に直接報告に行ったり

お伺いを立てに行ったりしなければならないこともある。

 

そのオフィスで

アスペルガー症候群の少女Hちゃんが働いてくれるようになった。

 

お祖父さんから頼まれたのである。

精神を病む孫を憂いたのであろう。

 

当時、Hちゃんは超有名女子校の生徒だった。

それがイジメにあって不登校となり

自宅で引き籠りがちの日常を過ごしていた。

 

引き籠ると云うのは相当なストレスなのだろう。

Hちゃんは、時に家庭内でストレスを発散することがある。

世間ではそれを「家庭内暴力」と呼んでいる。

この呼び方に僕は異論があるが、それはまた別の機会ですることに。

 

兎にも角にも,

僕の事務所で女子高生が働くことになったのである。(つづく)