エドガー・アラン・ポーの本を予約して、まだ順番が来ないので、
江戸川乱歩の本を図書館で借りました。
江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」。
ミタ子が日本橋のOL時代、初めて読んだ江戸川乱歩の本で、
またもう一度読んでみたくなったので。
ミタ子が読んだのは文庫本で、こんなハードカバーでは無かったんだけど。
「屋根裏の散歩者」をはじめ、14篇が収録された短編集でした。
創作探偵小説集 第二巻と書かれています。
探偵小説と言っても、明智小五郎が解決するのは「屋根裏…」だけだし、
トリックを見破ったり、犯人を探し出すのが目的の小説じゃないと思うんだけどな。
江戸川乱歩の魅力はトリックよりも、その裏にある
人間の弱さや恐ろしさ、怪しく漂う不思議な感じ
一番面白かったのは、「人間椅子」。
普段見慣れない、聞きなれない旧仮名使いの文章が、また味わい深くて
ちょっと読みずらいけど、いい。
この本自体は平成5年11月発行だけど、初版は大正15年1月なんだって。
パソコンもテレビも無くて、映画だって活動写真だった頃、
当時の人々にとって、画期的な作家だったんだろうな。