難易度設定 | 大神Blog

難易度設定

えー、指を詰めたら、リアルな極道キャラになってしまうので、
それだけはなんとしても避けたいスキンヘッド神谷です。

難易度設定についてですが…イナバの言う通り、これは非常にホットな話題です(笑)。
作り手側の視点だと、話の進め方も、謎の解き方も、敵の倒し方も、すべて知り尽くして
いますから、「遊びやすく、親切設計のゲームにするぞ!」と意気込んでみても、実際
初めてプレーに臨む人がどんなふうに迷ったり悩んだりするのかを想像し、それに対して
どういう対処を施すのが一番親切か、その答えを出すのは非常に難しいものです。

特に戦闘と違って、謎解きのヒントとなると… 情報が与えられ過ぎたら、考える
楽しみがなくなる。情報が少な過ぎたら、分からない。そしてピンと来るか来ないかにも、
少なからず個人差もある…。こればかりはテクニックが絡む問題ではないので、どこを
基準にすればよいか、そのサジ加減が悩みどころなのです。でも、そこが自然な手応えに
調整されていれば、それこそプレーの快感度は跳ね上がるんですよね。

「名作」と呼ばれる作品の多くは、そんな見事な調整がなされているのですから、
「大神」もそれらを見習って、クリアした後に心地よい爽快感が残るような作品に
しようと、知恵を絞っています。

…という矢先の、昨日の出来事。クローバーでローカライズを担当しているマエダに
「大神」の最新ロムをプレーしてもらっているのですが… さっそく「ハマリポイント」
が発覚しました。彼女はあまりゲーム慣れしていないので、「大神」では、その意見が
非常に参考になります。そう言えば「ビューティフルジョー」の時にも、ある女性社員に
「ドアの開け方が分からない」と言われ、
そんなモン、パンチすれば開くだろーがよ!!
血管がピクピクしたのですが、「大神」ではそうも行きません…
(結局「ジョー」の時もドアに触れたら自動で開くよう修正しました)。

というワケで、マエダがハマった場所を聞き取り調査し、対応策を検討。…対応策と
言っても、人がハマったからと言って、じゃあ答えを教えます…では、ゲームの
クオリティを著しくおとしめます。前にイナバも書いた通り、
「クリアする気持ちになってもらえるように作る」ところに我々の仕事がありますから、
プレーする側の楽しみを奪わないよう、ヒントの出し方を考えて見ました。
今回のケースでは、マエダのハマリのお陰で、我々製作者側が充分なヒントを
出したつもりでいて、実はプレーヤーにとっては不親切になっていた部分が
浮き彫りになり、対処を入れることによって快適さがアップしたと思います。

ネット上で「大神」への意見を探ってみると、「ゆったりした気持ちでプレーしたい」
と思っている方が多いようですが、その辺は、僕らも同じ気持ちです。「大神」の
ジャンル名「ネイチャーアドベンチャー」に“アクション”という言葉を使わなかった
のも、その気持ちの表れ。これまでの作品では「アクションはこうだ!!」という
強引な調整をして来ましたが、今回は「楽しさってのはこうだ!」というメッセージを、
調整に込めたいと思っています。

テストプレーしてもらうのは嬉しいのですが、最初にプレーした時の印象というのは、
そのテストプレーヤー一人につき、たったの一回だけ。だから初回プレーの意見は、
非常に貴重です。でもイナバをはじめ、こうして多くの初心プレーヤーが
意見を提供してくれるので、これらを参考に、絶妙な調整を実現してみせます!

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写真:カメラを向けたら、サンダルからパンプスに履き替えたマエダ。
その後ろには女帝が… これからも協力ヨロシクです。