70年代前半、徐々に

プロテストソングとして

機能することが

少なくなってきたフォークは、

ラブソング、

あるいはコミカルなものが

増えていきつつも、

歌謡曲とは一線を画し、
ニューミュージックと呼ばれる

新たなムーブメントへと

移行してゆくことが多くなる。


本盤は、

エレックレコードが、

そんな端境期の

ライブ音源の中から、

コミカルなものを中心に集めた

オムニバス盤(74年5月発売)。

 

このバージョンが

シングルカットされている

ケメ(佐藤公彦)

バイオリンのおけいこ」や、
観客をあおる様子が楽しい、

若き泉谷しげるの

黒いカバン
アドリブ全開の、

なぎらけんいち(なぎら健壱)

新・悲惨な戦い」や

海援隊「母に捧げるバラード」

をはじめ、
佐渡山豊や古井戸、

そして大道芸人の早野凡平や、
当時積極的にライブを行っていた

作家・野坂昭如など

異色なものまで11曲。


懐かしくもありながら、

30年以上の歳月を

感じさせることなく、
意外に新鮮な気分で

聞くことができる

傑作アンソロジー。(★★★★)」

(2006.7.21記)

 

このような、

マニアックな1枚が、

エレック完全復刻プロジェクト

によって

初めてCD化されました

(2006年4月発売)。

 

収録曲及び収録データです。

 

・泉谷しげる「黒いカバン」

(72年5月野音唄の市)
・ケメ「バイオリンのおけいこ」

(74年2月横浜唄の市)
・古井戸「インスタントラーメン」

(72年6月渋谷公会堂

第2回古井戸リサイタル)
・佐渡山豊「想い出話」

(73年10月日本青年館

ドゥチュイムニーリサイタル)
・なぎらけんいち「新・悲惨な戦い」

(74年2月横浜唄の市)
海援隊「母に捧げるバラード」

(74年2月横浜唄の市)
野坂昭如「バージン・ブルース」

(73年11月ワイセツリサイタル)
早野凡平「乙女純情哀歌」

(74年3月リトルプレイハウス)
タイム5「哀愁のさなえちゃん」

(74年2月横浜市民ホール)
中島田鶴雄「カツ丼」

(74年3月渋谷ジァンジァン)
カメカメ合唱団「哀愁の長万部」

(73年8月厚生年金会館

カメとしげるの二人会)

 

半世紀ほど前の音源たちですが、

今聞いても楽しいものが

多いと思います。

 

ケメさんや野坂さん、

早野凡平さんなど

亡くなられた方も多いのが

寂しいですね。

 

↓泉谷しげるさん

「黒いカバン」です。

いまでも重要なレパートリーですね。

 

↓ケメさんです。

アイドル並みの人気者でした。

 

↓野坂昭如さんです。

スタジオヴァージョンですが。

 

↓戸川純さんによる

カヴァーヴァージョンです。

ご参考までに。