チューリップ初期の名作

日本」(75年12月)と

MELODY」(76年9月)

のあいだの、

わずかな期間で録音された、

ビートルズカバー集

(76年6月発売)。


無作為に選んだ12曲

とはいうものの、

ジョージの作品

I NEED YOU」

を除いて、

すべてポールの作品で、

いずれも財津和夫が

ボーカルをとっている。


オリジナルのアレンジを

9割程度残しつつ、

それでも自分たちらしさを

きちんと出しているところが

このグループらしい。


なんといっても、

本人たちがいちばん

楽しんでいるのは、
ほかのアルバムとは

まったく異質な

レコードジャケットや、
レコーディング時の

スナップをちりばめた

裏ジャケを見ても明らかだろう。


チューリップの器用な面と

奥の深さを知りえる名盤。

(★★★★★)」(2006.6.30記)

 

チューリップは

全員がビートルズフリークで、

ビートルズにあこがれて

バンドを結成したというだけあり、

レコーディング中の

メンバーの笑顔が

見えてくるような気がします。

 

曲目は、

1.ALL BECAUSE OF YOU GUYS~PROLOGUE
2.WE CAN WORK IT OUT
3.YOUR MOTHER SHOULD KNOW
4.I NEED YOU
5.ANOTHER GIRL
6.HERE THERE AND EVERYWHERE
7.THE NIGHT BEFORE
8.BLACKBIRD
9.WAIT
10.FOR NO ONE
11.LADY MADONNA
12.MARTHA MY DEAR
13.TWO OF US
14.HEY JUDE
15.ALL BECAUSE OF YOU GUYS~EPILOGUE

 

このうち、

1と15はオリジナル曲、

5と11は

超ショートヴァージョン

になっています。

 

チューリップは

レコードのCD化が遅れていて、

全てが(現実にはライブ盤が2点、

未CD化のままですが)

揃うまでのあいだ、

ほんの何点かが単独もしくは

「2in1」の形などで

不定期にCD化されていたのですが、

このアルバムは、

東芝さんの「極東ロック」

というシリーズの1枚として、

比較的早めに初CD化されました。

 

ファンでなくても、

大いに違和感を感じる分類でしたが、

ほどなく、同社の

「音蔵(おとぐら)」シリーズで、

ほかのオリジナルアルバム

とともに再発されました。

 

70年代のチューリップのライヴでは、

たいていビートルズの曲が数曲、

独自のアレンジで

演奏されていましたが、

80年代および再結成時には

演奏されることが

少なくなってしまいました。

 

ただ、

メンバーの上田さん(ドラムス)は、

いまでもビートルズを

積極的に演奏しており、

REVOLUTION-9

(レボリューション マイナス ナイン)

というビートルズカバーバンド

の活動のほか、

年に一度行われる

「Dear Beatles」という

イベントにも連続参加中です。