「本家イギリス盤を無視するかの如く、
独自の編集盤を出し続けていた、
アメリカ・キャピトルレコードによる3枚目
(アメリカ通算5枚目)のアルバム
(64年7月発売/日本70年9月発売)。

映画「A HARD DAYS NIGHT」の
サウンド・トラックの
発売権をとれなかったために、
イギリス・オリジナルアルバムの
「A HARD DAYS NIGHT」に
収録されている13曲のなかから8曲、
そしてイギリスで、4曲入りEP盤で
発売されたばかりのカヴァー曲
「MATCHBOX」「SLOW DOWN」の2曲、
そして「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の
ドイツ語ヴァージョン
「KOMM, GIB MIR DEINE HAND」
を加えた全11曲が収録されている。

独自に編集されてきたアメリカ盤ではあるが、
ジャケットデザインには秀逸なものが多く、
4人の演奏ショットのカラー写真に、
アルバムタイトルと収録曲を
白抜き文字で配置したこのデザインも、
現在でも十分通用するものだと思う。

しかしなぜ2曲しかない
ドイツ語ヴァージョンのもう1曲、
「SIE LIEBT DICH」
(「SHE LOVES YOU」ドイツ語ヴァージョン)を
収録しなかったのだろう。(★★★★)(2012.1.3記)
 
ビートルズのアルバムの
日本国内での発売事情に関しては、
詳しい方がたくさんおられますので
詳細は省きますが、
後年、イギリス・オリジナル盤に準拠して、
各国編集盤をすべて廃盤とし、
未収録曲をあらためて
別のアルバムにまとめることで、
公式の全音源が、
アルバムにすべて収録されることになり、
いわば無政府状態だった
世界中のアルバムは、
姿を消すことになりました。
 
しかしそれまでは、
例えば日本では、
日本オリジナル編集盤、
イギリスオリジナル編集盤、
日本独自の
シングル盤や4曲入りEP盤が
混在していたところに、
70年代になってからさらに、
アメリカキャピトル編集盤や、
イギリス編集4曲入りEP盤を
東芝さんが国内盤として発売することになって、
さらに後年、新たな編集盤や
ヨーロッパの数枚まで発売され、
それらがすべて混在していましたので、
まあ、それはそれはレコードショップで
押すな押すなの密集状態でした。
 
そういうわけで、70年代に、
ビートルズのレコードを買い求める人は、
いかにして自分の好きな曲を
重複がないように、
LP、EP、シングル盤を
組み合わせて、
最小限の出費で買うのかに、
知恵を振り絞っていたのです。
 
そんな時代があったのですよ。
ほんとうの話です。
 
 ↓A面の1曲目がこの曲なのです。
  名曲ですが、短いこともありますし、
  ブリッジに最適な曲だと思うのですが、
  アメリカさんときたら、、、、