「音楽的方向性のズレから、

安部俊幸(G)、姫野達也(G,Key)、

伊藤薫(Dr)の3人が脱退、
しかもそれが、

ツアー告知の直後に発表されたため、

この3人のファンはもちろん、
チューリップファンの、

おそらく全員が

開催を危ぶむなかで行われた、
85年10月の渋谷公会堂における

ステージを収めた、
チューリップ第3期のスタートを飾る

2枚組ライヴアルバム

(85年12月発売)。


メンバーは財津和夫(Vo,Key,G)、

宮城伸一郎(B,Vo)の2人に加え、
同年発売のシングル

「アイ・アイ・アイ」(85年6月発売)で

サポートメンバーとしての

加入が発表されていた

元UGUISSの松本淳(Dr,Cho)と、
音大ピアノ科卒という、

このジャンルには珍しい経歴をもつ

丹野義昭(Key,Cho)の

4人の正メンバーに、
松本光雄(G,Cho)、

鈴川真樹(G,Per,Cho)、

菊地圭介(Key,Cho)の

サポートメンバーを加えた7人編成。


この、サポートも含めた

若いメンバーたちに触発されたのか、
演奏・歌ともに、

ここ数年感じられることがなかった

若さと勢いが感じられ、
突然のメンバーチェンジに

驚いてかけつけた客席のファンたちに、
心配は無用だと

アピールしているように聞こえる。


ツアーのための書き下ろし曲

「I LIKE PARTY」をはじめ、

「ハーバーヴュー・ホテル」

「アイ・アイ・アイ」
「エジプトの風」「愛の迷路」など、

ツインギターと

複数のキーボードによる音の厚みと、
当時22歳の松本淳の、

若さあふれるドラムが

心地よい曲が多く、

いままでのライヴアルバムとは

明らかに印象が異なるものの、
個人的には大好きなアルバム。

 

なぜかいまだに、

一度もCD化されていない。

(★★★★★)」(2007.4.11記)


チューリップ17年の歴史のなかで、

2度目の大きな

メンバーチェンジでした。

 

1980年早々の、

吉田彰(B)さんと

上田雅利(Dr)さんの脱退も

グループにとって大きな転換期と

なったのですが、

このときの3人の脱退は、

グループ存続の危機とまで

言われていたほどで、

実際、安部さんと姫野さんの

ファンのみならず、

多くのファンが

これを機に離れていったようです。

 

急造メンバーだったので、

たしかに演奏面での粗さは

あるのかもしれませんが、

元の記事に書いたとおり、

若さと勢いのような、

新鮮な感動も覚えたので、

個人的には、以後のグループの展開を

楽しみにしていました。

 

なお脱退した3人は、

風祭東(B,Vo)さんを加えて

ALWAYSという4人組を結成、
真にポップなグループを目指して

活動していくことになります。