「GSブームのきっかけのひとつにもなった

デビューシングル

「想い出の渚」(66年11月発売)以来、

流行の波を敏感に察知した活動を続けつつも、
解散をすることになった

ワイルド・ワンズの、

71年10月10日、

東京・杉野講堂での

ラストコンサートの実況盤
(2001年7月発売のBOXセットの

ボーナスディスク。分売はされていない)。


メンバーは加瀬邦彦(G,Vo)、

鳥塚繁樹(G,Vo)、

植田芳暁(Dr,Vo)、

島英二(B,Vo)、

渡辺茂樹(Key,Fl,Dr,Vo)。


実は大変に珍しい音源で、

当時はファンクラブ限定の頒布だけで、
それもかなり編集されたものだったらしいのだが、

奇跡的にライヴの大半を録音したテープが発掘され、
既存の音源とあわせて26曲、

音質に難はあるものの、

可能な限り当日の模様が再現されている。


解散ということもあり、

できる限り多くの曲を、

燃え尽きるまで全力で演奏しているのが

手に取るようにわかり、
ことに植田芳暁が、

ドラムを激しく叩きながら熱唱する

「愛するアニタ」は,

彼のベストパフォーマンスだと思う。


ラストに、

各メンバーからの挨拶があるのだが、

ひたすら泣きじゃくる、

まだ20歳だった渡辺茂樹の様子が愛らしい。
(★★★★★)(2007.2.28記)


解散後、加瀬邦彦さんは作曲家として、

沢田研二さんをはじめとして、

多くのヒット曲を量産しました。

 

鳥塚しげきさんは、タレント活動と

主に子供向けの歌の制作をされていますが、

解散直後は岡崎友紀さん主演のドラマ、

「ママはライバル」(72年10月~73年9月)にも

岡崎さんのクラスメイトの役で、

出演されていましたね。

 

島英二さんは奥様とともに、

当時まだ少なかった、

音源のダビングを中心とした

会社を起こし、その傍らで

音楽活動をしていました。


植田芳暁さんは、

ZOO(男女各2名のコーラスグループ)や

サーフライダース(7人編成のコーラスグループ)など、

自らのグループの活動と並行して、

明るく饒舌なキャラクターを生かして、

テレビ番組やイベントの司会でも活躍されました。


渡辺茂樹さんは作曲・編曲活動をメインに、

いくつかのバンド活動の後、

歌手のバックバンドを

活動の中心とするMMPを結成、

本格的に活動を再開します。


ほかのグループに比べると、

メンバー同士の関係が親密だったようで、
多くのGSが再集合した

81年の「日劇最後のウエスタンカーニバル」

を待たずに再結成、

アルバム「アンコール」(79年11月発売)

を制作・発売しました。


その後も折りにふれて集結しているうちに、

主に渡辺茂樹さんを除く4人で

本格的に再結成、
各種イベントやライヴ活動を続けていましたが、

渡辺茂樹さんが、2014年3月に63歳で、

加瀬邦彦さんが、2015年4月に74歳で

お亡くなりになられています。