「福岡出身、

数多くのミュージシャンが巣立った伝説のライブハウス

「照和」での活躍をステップに上京、
メジャーデビューを果たした

甲斐バンドのファーストアルバム(74年12月発売)。


メンバーは、甲斐よしひろ(Vo,G)、長岡和弘(B)、

大森信和(G)、松藤英男(Dr,Vo)。

 

アマチュア時代には「甲斐祥弘バンド」

あるいは「甲斐よしひろバンド」と

名のっていたこともあるらしく、

本デビュー盤においては

メンバーの個性はほとんど確認できず、

甲斐よしひろの楽曲と歌唱が際立っている。


デビュー曲「バス通り」

LEO SAYERのカバー曲

「吟遊詩人の歌(ONE MAN BAND)」など、

その後の甲斐バンドからは

想像もできないような

青春フォーク調の楽曲が多く、
おそらくは、もともとフォーク志向であったところ、

同郷のチューリップの成功を見て、
(無理やり)バンド編成にしたと思われる

(ギターとボーカルで参加予定だった松藤英男は、
上京が決まってから、

それまで一度も叩いたことのない

ドラムを担当させられている)。


それでも全体的によくまとまっており、
次のシングル「裏切りの街角」と

アルバム「英雄と悪漢」でスタイルを

確立する準備盤とでもいう感じだろう。


何か問題があったのか、

ジャケットが萩尾望都による

イラストに変更されている。(★★★★)」(2006.10.22記)

 

ドラムを担当することになった松藤さんは、

別のアマチュアグループで、

ギターとヴォーカル、まれにキーボードを

担当していたそうです。

 

メンバーに加入するにあたって、

「松藤(さん)はギター弾けて、

歌が歌えて、キーボードも弾ける。

ただ、今回の甲斐(さん)のバンドでは、

曲によってはドラムが入る曲があるかもしれないけど、

(ベースの)長岡(さん)がドラム経験者だし、

教わればなんとかなるよ」といわれ、

まあ、たまにならドラムもしょうがないかと思っていたら、

だまされてドラム専任にされたと

しばらくのあいだ、よく話されてましたね。

 

「吟遊詩人の唄」は、

のちにライブ盤「サーカス&サーカス」から、

より洗練されたアレンジのもと、

シングルカットされました。

 

また、途中でデザインが変更になったジャケットですが、

いつの間にか元に戻っており、

イラスト版は裏ジャケットになっていたこともありました。

 

(何度も再発されているので、

現在はどうなっているのか、

確認ができておりません。)