日本で初めての、

ボードビリアンにして

コメディアンでもあった4人組の、
戦前から戦後数年間

代表的音源を集成した、

貴重で画期的なアンソロジー

(2005年7月発売)。


メンバーは、

川田義雄、

坊屋三郎、

芝 利英(しば・りえ。敬愛するモーリス・シュバリエのもじり。坊屋三郎の実弟)、

益田喜頓(ますだ・きいとん。敬愛するバスター・キートンのもじり)。


のちに分裂し、

川田義雄は実弟らと

ミルク・ブラザース

(=乳兄弟←実の兄弟)、
残りの3人は

山茶花 究〔さざんか・きゅう

(3×3=9 さざんがきゅう)

のもじり〕を加え、

第2次あきれたぼういずとして

活躍しているが、
本盤にはこの3組の音源16曲が

収録されている。


物まね、口まねなどで

おちゃらけているかと思いきや、

きちんとコーラスを

聞かせてくれるあたり、
相当の実力者揃いだったのだと思う。

 

四人の突撃兵」珍カルメン」

四文オペラ」浪曲ダイナ」など、
ジャズやオペラ、浪曲などを

下敷きにした芸風は、

戦前の浅草の雰囲気が

伝わってくるようで楽しい。


戦後はそれぞれ

俳優やコメディアンとして

活躍するが、

山茶花究は個性派俳優として

(青春とはなんだ」での

悪徳教頭は名演だったと思う)、

坊屋三郎はテレビのCM
クイントリックス」で
大柄な外人との珍妙なやり取りで
一躍人気者になり、
益田喜頓は晩年まで
とぼけた老人の役回りを
舞台やテレビでそつなくこなす一方、

川田義雄(川田晴久)は

このスタイルを復活させ、

弟子の灘康次(現・モダンカンカン)に、
自らのオリジナル曲

地球の上に朝が来る」を含め、

その芸風を受け継がせることになる。

(★★★★)」(2006.10.17記)

 

戦前から戦後すぐの時代に、

とても人気があった4人組でした。

 

私も、

適当に馬齢は重ねていますが、

この方々を実際に見たほどの

年齢ではないので、

このアンソロジーで、

その人気の一端を

ようやく理解できました。

 

トニー谷さんの、

ソロバンを使った芸も、

坊屋三郎さんの、

洗濯板などを使った

パーカッション芸から、

着想を得た(無断で真似された

という説もありますが)

ものだそうです。

 

YOU TUBEに、

貴重な音源がいくつも

上がっているので、

ご興味のある方は

検索していただけると

よろしいかと思います。

 

なお、

芝利英さんは1945年に召集され31歳で、

川田義雄さんは1957年に50歳で、

益田喜頓さんは1993年に83歳で、

坊屋三郎さんは2002年に92歳で、

そして山茶花究さんは1971年に56歳で

それぞれお亡くなりになられています。

 

 

こちらは、

一世を風靡したCMですね。

坊屋三郎さんです。

当時62歳だったそうです。