※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~









































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智琉と付き合い始めて3ヶ月。


まだ涼しい季節に出逢ったのに、今は横の髪型を刈り上げる程に汗ばむ季節へとなっていた。








あんなに異動が嫌だった“編集制作局” にも完全に慣れ、今では1人で幾つもの案件をこなせる程になり、局長からも“立派な戦力”とお墨付きも貰えている。


だからこそ……













「櫻伊。さっき言ってたあれ__ 」



《こっちでチェックは済ませてもう岡田先輩のPCに転送済みです。》



「あ?ああ、そうか…。じゃあこの前の__ 」



《あれも各方面に確認を取った上で、今は局長にまわしています。
承認待ちですから、局長に聞いて下さい。》



「お?おお、そうか……」



《はい。》



「…櫻伊。」



《はい?》



「お前ちょっと可愛げがなくなったんじゃないか?」



《ご心配なく。
智琉には“可愛いな”と時々言われていますから。》



「!……ほら、やっぱり可愛げがない。」



《そうですね。
それで?話が以上なら自分の仕事をしてもいいですか?
今日は定時で帰りたいので。》



「櫻伊が定時に拘る時は大抵……まさか、今日も__ 」



《はい。今日は智琉と付き合い始めて3ヶ月記念なのでデートするんです。》



「なんでそんなに充実させてんだよ!」



《その為に頑張ってますから。
それに記念日を祝うのは彼氏として当然でしょう?》



「……当然なのか?」



《まさか、彼女さんに何もしてあげてないんですか?》



「……」



《…その内フラれますよ?》



「おい!智琉みたいな事を言うんじゃねぇよ!」



《あ、やっぱり付き合っていると似てくるもんですね?》



「っ!さっきから聞いてればいつも以上に自慢してきやがって…櫻伊のくせに生意気だぞ!」



《…ハァ。こう言えば俺の邪魔をせず席に戻ってくれると思ったんですが……そうですか。
じゃあ、俺が定時で帰れず智琉を待たせるなんて事になったら、岡田先輩に邪魔されたからだと智琉に伝えますね。》



「っ!?」



《智琉が悲しい思いをしないといいんですけど……》



「っ!!邪魔したな!
智琉に今度俺とも飯に行こうと伝えておいてくれ!じゃ!」












バタバタ…





ブッ、ククク。


予想通り慌てて戻って行った。






ほんと、智琉の名前は効果覿面だな。





…けど、岡田先輩のあの未だに智琉に未練がましいのは直らないものか?


優先すべきは彼女さんの方だろうに……







智琉も知り合いらしいその彼女さんは、智琉が“いい人”と言う位なんだから本当に素敵な方なんだろう。


それなのに、その人と記念日も祝わないなんて……これは、智琉にチクる必要があるな。











岡田先輩に邪魔されたけど、何とか定時には仕事が終わった俺は、急いで電車に乗り智琉のスタジオがある所まで向かった。



今日の記念日には、レビュー高評価の少しお高めのお店を予約してある。






でも実は、そのお店は智琉のスタジオがある駅とは反対の方向にある。



だけど、そこはそこ。





あの智琉を1人店で待たせたりなんてできる訳がない。

ましてや、駅でなんて……考えただけで恐ろしい。




だって、あの智琉の美しさにヤられた奴等がわんさか集まりそうだから。









だから、こうして智琉の所まで迎えに行くんだ。


全く手間なんて思わないし、寧ろそれで俺が安心できる。





それに、一秒でも早く智琉に会えると思うと……最高じゃないか。ハハ。











智琉のスタジオの最寄りの駅に着くと、少し足早に改札へと向かった。



意識した訳じゃないけど、勝手にそうなっていたのは浮かれている証拠だよな。






3ヶ月前には考えられなかった、そんな自分の行動に少し笑いながら改札を抜けると、そこには……












『……あ。』



《えっ!?》













智琉がいた…






もしかして……いや、もしかしなくても俺を待っててくれたんだよな?



ヤバい…凄く嬉しい………










…本当にそれは嬉しいんだけど、俺から見えるその状況は全く嬉しくないんですけど!?




何してんの!?

と、いうか何されてんの!!







今、まさにそのサラリーマン達に声を掛けられましたって感じじゃん!











って!

そんな事考えてる場合じゃなかった!







ダダダッ!



取り敢えず俺の智琉から散らさないと!











あぁ!もう!!


俺の想像通りの展開!




だから智琉を外で待たせたくなかったんだよー!!