※これは妄想腐小説です BL要素が含まれます
~間違われた方、苦手な方はお戻り下さい~
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大隈君が双子のトイレに付き合ってくれてから30分は経った…
……遅くないか?
戻るのがこんなに遅いという事はやっぱり俺の事を__
パタパタ…
『櫻坂さんすみません。
2人が眠るのを見ていたらついウトウトしちゃってました…』
…じゃあ、眠る双子を見ていたら睡魔がきたと?
じゃあ!俺の行動が嫌で近寄りたくもないと思ったから戻って来なかった訳じゃない!?
…ホッ…良かった。
これからも大隈君にはお世話になりたかったから辞めるなんて言われなくて本当に良かった。
…でも、さっきのは謝った方がいいよな。
こうしてまた近くに座ってくれたし、話しかけてくれた感じから俺を“嫌がっている”という風には見えない…
だけどもし、“気持ち悪いけど仕事の事もあるし我慢しよう”なんて大隈君に思わせていたら……
っ!
それは絶対にダメだ!
《あ、あの大隈君!》
『はい。どうしました?』
そこから俺はさっきの自分の行動について話した。
言い訳しているみたいに聞こえたかもしれないけど俺の話を聞き終わった後、大隈君は……
『え?気持ち悪い?
まさか。櫻坂さんに対してそんな事思ったりしません。
嫌だとか思ってもいません。
さっきはその…櫻坂さんが近くて…少し恥ずかしかっただけですから…////』
《ホッ…》
『…もしかして、僕が直ぐ戻って来ないから余計に気にさせちゃいましたか?』
《う、うん…》
『それはすみませんでした…』
《いやいや!元はといえば俺があんな事をしたからであって自業自得というか……あ。
あの…さ?
俺そういう趣味があるとかじゃないからね?
誰にでもああいう事をしている訳じゃなくて__ 》
『フフ。はい、櫻坂さんは優しくて誠実で素敵なお父さんだって分かってます。
だから今日の事も松丘社長にも“櫻坂さんなら問題ない”とハッキリ言いましたし。』
《……ん?俺なら問題ないってなんの事?》
『あ!』
《……松丘社長の名前が出たという事は……もしかして今日、俺達が大隈君の家に泊まる事を反対されていたとかなのか…な?》
『…あ、あのそれは……』
《…俺、大隈君に対してそんな問題視されるような態度をとっていたかな?》
そうだったらしっかり改めないと……
『ち、違うんです!
櫻坂さんに問題があるとかでは一切なくて……』
《え?…じゃあ何故そんな話しに?》
『ぅ……あの…また僕の話しになるんですけど聞いてもらえますか?』
《勿論。》
『…実は___ 』
そして大隈君はどうしてそんな話しになったのかを説明してくれた。
それを聞いた俺は……
大隈君の会社の社長が俺を警戒したのがよく分かった。
だから、それがあったからこの家にお邪魔した初めの方に大隈君の様子がどこかおかしかったんだという事も。
そして、確かに大隈君は性別を限定せずに“歳上に好意をもたれる”としか言ってなかったな…と、思った。
まさか、ハウスキーパーとして行った先の家の旦那に押し倒されたとは……
さっきも思ったけど、“好意をもたれる”なんてやんわりとした言い方で片付けられない問題だよ大隈君…?
しかも、幼稚園の時は母親で女性だったからまだ大隈君の方が力で勝っただろうから何か起きたとしても回避はできただろうけど、最近の方は男性…
さっき俺も確認させてもらったから分かるけど、肩や腰を掴んで引っ張れば大隈君くらいなら軽々と床に倒せてしまうと思う…
だから、押し倒されてしまったんだろうけど……
逃げだせたから良かった…だって?
それは偶々な気がする。
その男性が気を散らしたか、ひ弱だったか……
だってもしその男性が大隈君の倍はありそうなガタイだったら逃げるなんて___
『幼稚園の時は僕の住所を記入した物があったから家がバレちゃってアパートからこの家に引越する事になりましたけど、今の会社はここの住所が他人にバレる心配はないので大丈夫なんです。』
…いやいや。
知らない内にあとを尾けられたり…なんて事もあるかもしれないよね?
『それに戸締まりは何度も確認してしっかりしてますもん。ヘヘ。』
へへ…って。
中には窓を割るとか狂暴な人もいるよね?
『それにあの方は本当に稀なタイプだと思うんです。
こんな男の僕のどこが良かったのか…
だからあんな事は2度と起きないと思うので何も問題ありません。』
…いやいや。
何故“問題ない”と片付けられるのか俺には分からない。
大隈君は非常に魅力的なルックスを持っていると俺ですら思うんだから…
でも、大隈君は自分のそれをよく分かっていない…と。
危機感…。
大隈君には物凄くそれが足りないと思う。
いつも双子の前ではしっかりしているし、テキパキ家事をこなす姿を俺も見ていたから気づかなかったけど…酔ったからかな?
今では大隈君は顔を火照らせて隙だらけ。
ここにいるのが俺じゃなかったと考えると……
ブルッ!
と、取り敢えず……
《大隈君。ホームセキュリティー入ろう。》
『あ。』
《え?》
『フフ。それ、松丘社長にも同じ事何度も言われるんですよ~。
家には金目の物なんて無いから大丈夫ですっていつも言ってるんですけどね?』
…自覚してないって大変だな。
そして何度も言われているのに入ろうとしないのか…
危機感を持ってと言った所で分かってはくれなさそうだし……
…………あ。
《大隈君。双子はこの家が好きみたいだ。》
『え?…あ、フフ。はい。そう思ってくれていたら僕も嬉しいです♪』
《たぶん“また来たい”と言うかもしれない。》
『はい♪それは是非。』
《居心地がよくて、“安心安全”のこの家にまた泊まりたいと言うかもしれない。》
『お泊まりは櫻坂さんがいらっしゃるなら僕はいつでも………あ!』
《……》
『え!?それはダメです!』
《……》
『ハッ! いや、ダメと言ったのはそういう意味じゃなくて……えっと、あの……櫻坂さん?
いいホームセキュリティーの会社とか知ってますか?』
よし、想像通りの反応。
双子…。
お前達は実にいい働きをしてくれた。
ゆっくり寝てくれ。
《今、一緒に調べてみようか?》
『はい、お願いします!
できれば“安心して眠れます”みたいな謳い文句がある所がいいです!』
《ふふ。うん分かったよ。》
これは直ぐに決まりそうだな。