急にポジティブな
戦闘モードに入るのも
変な話しだけど


手術の日程が確定した今
そこを目的地として
それまでに
やらないといけない
いや


やりたいこと
思いつく限りやって見よ

ネットで見つけた
願いが叶う椅子
神戸の異人館にあるらしい

さっそく、乳がん先輩を誘い
週末に行くことにした

こんなの気のもの
まじない


わかってます


でも、やりたいから
やるんです、私

昼前に神戸で待ち合わせで
異人館までの観光バスで
椅子のある建物まで歩く

坂道を
登る

登る

登る

まだ登るの?


って辺りにあった


人で溢れてるのか?
と、予想してたけど

案外空いてて
直ぐに入れた

受付から直ぐに
小さなお庭が
かわいいけど

見てる余裕は無い

中に入って
椅子の前に長蛇の列
とか、避けたいし

脇目も振らず
中の椅子のあるお部屋に直行

左が男性用
右が女性用
らしい

間違えるとだめだって


勢い込んで入ったものの




中には数人のゲストのみ

皆、椅子に座り写真を撮る


椅子に座ると決めてから
どんなお願いをするか?
考えてみたら


私という人間の
小ささを
しみじみ感じた

ひとーつ
乳がん手術が無事に終わり
その後も、静かに転移とかなく
五年間の治療を
完了できますように


ふたーつ





んっ?
何がある?

なかなか思いつかない


人って、結局
そんなに
欲が無いのかな

乳がん先輩にこのことを話したら

宝くじ当たる位しか
思いつかないですね




じゃ、それをふたーつ目にいれよ


みっーつ目


自分の事は思いつかないので

家族の健康と長生き

所が、私には家族が無かった

後で気づく、おバカさん

なので、五年間の治療の間も
頑張って働けますように


自分を守るのは
自分しかない私の
心の支えは
仕事だから


これ考えるだけでも
ずいぶん時間がかかった

忘れてはいけないので
携帯にメモする


さぁ、順番が来た

椅子に座って
携帯の画面に書かれた
みっーつのお願いを
頭の中で
二回ほど
繰り返す


椅子の感触が
冷たく感じた
上品なベルベットで
できているのに


さっきまで人が座ってたのに

冷たい

私の願いは叶わないのかな
それとも
叶うまで
それなりの苦痛を伴うのか?

自分なりの解析をしながら
椅子から離れた


あの冷たさが
この先の苦痛を伝えていたとしたら


私は今以上ポジティブで
アクティブにならなくては
ならない

そう捉えた

そう思うと、ゆっくりするなんて
出来ないと思った


もっともっと早く動かなくては


たくさんの人に会って
たくさん話して
たくさん考えて

私が乳がんで
嫌だなとか
つらいと思うこと

他の人が思わないように
辛くないように
何かしなくては


脳が働きまくって
突然
行き着いた答え


あの椅子は
願いを叶えるのではなく

自分が進む道を教えてくれる
特別な椅子

だったのかもしれない


半年以内に答えが出るとか?


さぁ、どうなるんだろうか?