私も広報を生業をしている端くれとして、本屋さんで見つけて手にとらないわけにはいかない一冊でした。

でも、本著は1984年に出版されたらしいので少々違いはありますが、経営陣のメディアに対する偏見や軽んじる態度、広報の置かれている立場はあまり変化がないのではないでは、と思いました。

私はPR会社なので、社内の広報室とは立場が違うのですが対する相手は同じメディア。記者会見をすっぽかす、なんて場面では、本の中の出来事でしたが、身が縮む思い。

広報は良いときは存在が分からないほどですが、危機が生じたとき、どのように立ち回るかが会社の存続にも関係する重要な立場となります。そういえば、社長の一言で会社がなくなってしまった例もありましたよね。最近では、大学の危機広報の記者会見で広報部長の横柄な態度で大学側が窮地に立たされるというのも・・・。

小説では、損保会社の広報室に新しく赴任した課長を主人公に話は進みますが、私は別会社のベテラン広報部長がおっしゃっていた広報の心構えや新聞記者や経済誌の記者の態度や質問内容が非常に勉強になりました。

そして・・・

どうもモデルは昭和30年代後半の安田火災海上保険(今は損保ジャパン)だそうです。