さすが!横山秀夫先生。最後の方の一気読みは、もうどうにも止まらない状態でした。まさか、まさかの展開。唸りました。
物語は、たった7日間しかなかった昭和64年1月に起きた少女誘拐事件に端を発します。それから14年後、D県警の広報官として勤務する三上を中心に物語は進みます。三上の娘、あゆみが謎の家出をし、気に病みながらもマスコミと戦いながらも職務を淡々とこなす毎日。そんな中で、警視庁から長官が今なお犯人が捕まらず、翌年に時効を迎えるあのロクヨン事件を鼓舞し、視察するためD県警に来るというニュースが入る。その視察は形ばかりで、本当はD県警の刑事部長を警視庁から派遣するという宣言のために来ると知り、三上はおろかD県警の刑事部はオオモメし始める。そんな中、長官視察を翌日に控えた日64をまねた高校生誘拐事件が発生する。殺気立つ刑事部。マスコミ対応に追われながらもその事件の中枢部に入り込む三上。刻一刻と事件が進む中、64の本当の犯人像も見えてくるのであった・・・。
読後、三上の娘、あゆみは?憎き64の犯人は果たしてどのように化けの皮をはがされ捕まるのか・・・そしてその家族は・・・いろいろ感じることはあるのだが、この余韻が横山作品ならでは、のものなのかもしれない。
そしてこの物語は、NHKのドラマでは三上をピエール瀧が、そして今上映されている映画では佐藤浩市が演じている。鬼瓦みたいな三上・・・には、ピエール瀧に軍配を上げるが、演技力でいうろと佐藤浩市。私はいつも原作を読んでから映画を観るようにしているが、今回もDVDが出たらぜひ観てみたい。出演者はどのようにその役を演じているのか。
楽しみ!