中学に入学して、先輩の薦めで剣道部に入部。稽古着と防具に憧れた、ただそれだけの理由。全くの初心者。でも、それから、地獄が待っていた。朝練から始まって、夜遅くまで稽古、稽古。大阪体育大学を卒業したてのパンチパーマの顧問が、鬼のように私たちを追い詰める。今だったら、きっと教育委員会で問題になっていただろうなあ、と思うような、本当に厳しい稽古。でも、今、私がこうして図太く生きていられるのも、私は、中学校の地獄のような3年間があったからこそ、だと思ってます。やれば出来る。素人でも人より稽古すれば、中学最後の大阪大会で、優勝できる、それを教えてくれた、私にとっては、かけがえのない剣道生活3年間。だから、今でも、年に何回かは、地獄のような剣道の稽古の夢を見るし、剣道のニュースが入ってくると、とっても気になる。そんな中、今年の全日本剣道大会の結果が入ってきました。
今年の優勝者は、大阪府警の寺本将司さん。実は、今、日本を除く世界46カ国・地域の剣道人口は約60万人にも上る。3年に1度、世界選手権が開催され、昨年12月、日本は史上初めて優勝を逃し、韓国、アメリカに次ぐ3位に沈んだのです。剣道人としては、言いようもない悔しさ。寺本さんも、この悔しさから、今回の初優勝を果たした、という。寺本さんの座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」という。きっと、人知れず血を吐くような稽古を積んだ結果なのだろう。私は、このような人を心から尊敬する。そして、自分は、今、「人事を尽くしているのか」と、思う。