す夕方母の病室へ行ったら、いつもなら開いているドアが閉まっていた。
中へ入ると看護師さんが居て、
『かなりね、大声で叫んではるんですよ・・・・・』
母 『ぎゃーーーーー、またやーーー、くるしーーーーーー』
定期的に、苦しいのが襲ってくるみたい。
看護師さんも、多分【不安なんだと思います】と。
そして、気持ちを少しでも和らげてもらおうと、隣に椅子を持ってきてお喋りをした。
度々、【苦しい】とは言うけど、少しずつ頻度が減って来た。
やっぱり精神的なものか?
そしたら、
母 『あんたがな、隣にいてくれたらな、少しまし』
って、子供みたいな顔で言ってきた。。。。
母 『夜な、真っ暗になったら怖いねん。 』
母 『寂しいし怖いねん。』
それと、昨夜5〜6人の人が目の前に立って、もうダメやなぁ〜……みたいな事を言ったとか言う。
もちろん、夢か幻覚やと思うけど、夜が怖いとか、暗いのが怖いなんて今迄言ったことが無いのに。
私が側に居ない間に、一人ぼっちの時に、どうにかなるのかも…って不安なんだと思った。
コロナの事さへなかったら、病室にもっとずっと居れるのに。
私は融通をきかせてもらって1時間ぐらいは居るけど、15分の面会だけって…
コロナ流行りだしたあの頃に、私みたいな状況になった人達の事を想像すると、本当にいたたまれない。
もし母があの頃こうなってたら、私絶対気が狂ってたて思う。
骨になってからやっと会えるなんて、本当に残酷。
病床で一人ぼっちで誰にも会えず旅立った人達の事を思うと……そんな大切な人との最期を迎えた人の事を想うと、私なんかまだ有り難い事なんだと。
看護師さんに夜中電気を付けててもらうように頼んだ。
すると、
看護師さん 『患者さんが置いていったクマのヌイグルミありますけど居ります』
ラッピングされたクマのヌイグルミで、お腹を押さえたら電気が付く。
それに、電池も入れてくれて、母にくれた。
にょろ 『おかーちゃん、これ、くれはったで。』
看護師さん 『名前つけてあげてーーー。』
にょろ 『何にする』
母 『”わんこ” っ』
ええやんええやん。
そして面会時間が終わり帰る時、
母 『今晩又来る』
にょろ 『もう来ないよ。 もう晩やねんおかーちゃん。 明日の朝又来るからな。』
母 『えっ 朝までけーへんのん』
にょろ 『電気も付けててくれるって。 ”わんこ” のお腹も押えたら電気付くやろ なっ 又朝来るから。 なっ』
母 (コクンと頷いた) けど。。。。。
私は後ろ髪を引かれながら、半泣きで帰った。