重度の知的障害をあわせ持つ自閉症の息子りょうへい(20)のお話です。









髪の毛は、床屋さんで切ってもらっています。
「9ミリで刈ってもらって、上の方は3センチくらいで。」と私が注文します。
9ミリ、というのは、刈ったあとに青くならない長さを聞いたときにそう言われたので。
一回、後頭部が真っ青になってびっくりしたのです。
バリカンは、初めのうちはくすぐったがって笑ってしまっていましたが、最近では比較的大人しく座っていられるようになりました。
前回行った時は、待合室の椅子から見える位置で切ってもらっていました。
にこにこ、楽しそうに切ってもらってるなぁ

と、微笑ましく見ていたら、何やら黒い細長い道具(電動カミソリ?)が出てきて表情が一変。
使いません



使いません



と、床屋さんの手首をがっしり掴み、懇願するりょうへい。
もう、あきらめるかなぁ、と思いきや。
床屋さん、落ち着いた表情で。
まず、その道具を自分の手に当ててみせて、
痛くないよ

って。
次に、りょうへいの手に当てて、
ねっ、大丈夫でしょ

と目で合図。
痛くないことを理解すると、安心したようにじっと座り、床屋さんに任せていました。
もう、その様子を見ていたら涙腺崩壊

大人しくなってきた、とはいっても、やっぱり動く時は動くし。
もう、無理でした、と言われればそれで終わりにされても仕方ないことなんだけど。
できるところまで、やってあげよう。
という、職人さんの心意気が感じられました

本当にありがたいです🙇♀️🙇♀️🙇♀️






その後、買い物に行きました。
プラレールが遊べるように置いてあるのを見つけたりょうへい。
すると、なんと、、、
ミニカーを手に持って、道を走らせ、踏み切りを渡らせているではありませんか





うわーーー、正しい遊び方してる





ミニカーといえば、ぴっちりと並べたり、裏返して車輪をクルクル回すものだったんですよね。
りょうへいにとっては。
また、ここで涙腺崩壊





🪥🪥🪥🪥🪥🪥🪥🪥
私が、定期検診で歯医者に行く時のこと。
「お母さん、歯医者行ってくるね。」
と、りょうへいに伝えたら、
「おかあさん、歯、いたい」
って。
えっ

お母さんのこと心配してくれてるの





ここで、またまた涙腺崩壊





きれいにしてもらってくるだけだよ、と告げると安心そうな顔をしていました

どれも、
そんなことで







と言われそうなことばかりですが、周りから見れば些細にみえるこんなことが、私には全部宝物なのです。