私が1年目の時。
まだ働き始めて数か月のころ。
消化管の手術をされて、
1度にあまり食べられないので、
食事を5回や6回にわけて
提供をさせて頂く事があります。
この時は、朝昼夕の他に、
10時と15時におやつを出していました。
曜日ごとに決まっていたのですが、
ある時、
「おやつを出す時には、
先日出たパンプディングを
毎回出して頂けないだろうか？」と
患者さんのご家族からお話がありました。
「無理なら良いのです。」と。
その時の病院は、
基本的に「患者さんの希望には、
出来る限りこたえる」というところでしたので、
もちろん、
「毎回、パンプディングを出させていただきます。」
の返事。
それから、他のおやつも作りながら、
毎回パンプディングがプラス。
もちろん業務は増え、
まだまだ、いっぱいいっぱいだった私は、
なんとか、ギリギリ間に合うという状態で、
やっとこなしていました。
ですが、
そうそう長くも続かず、
指示が止まり…。
ご家族が、
「希望を叶えて下さり、
ありがとうございました。
最後に食べたいものを食べられて、
幸せだったと思います。」と。
何ともいえない思いがあるのですが、
30年近くたっても
忘れられない出来事です。
