睡蓮の教室 (新潮クレスト・ブックス)/ルル・ワン
¥2,940
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まずこの表紙とタイトルに惹かれ、
内容が中国の文化大革命時代の少女の話だったので迷わずに購入。
約600ページにわたる厚い本。
ハリーポッターと同じくらいか。

この本のいいところは
文革期の子供の心情なんかがわかる。
主人公は富裕層の子供で文革では痛めつけられる側の立ち場だった。
その少女が文革期に成長していく過程を
母の強制収容所や、
教員批判の吹き荒れる学校なんかを舞台に
親友張金とのやり取りを通して伝えられていく。
少女の思いに
「こんな時代もあったなぁ」とおもったり
首をひねったりしながら、楽しく読めたが
最後の展開があまりに急で、
あっけにとられてしまった。
ほのぼのとしたいい話で終わるのかと思いきや
とんでもないことが起こる。

「自伝的小説」と銘打ってあるので
おそらく著者自身の経験なのだろうけれど
実際の経験ならばもっと脚色したほうが
小説として面白いと思うし、
フィクションとしての挿話なら
ちょっと物足りない。

著者はオランダで暮らす中国人女性で
小説の原作はオランダ語で書かれている。
その英語版の翻訳で日本語版が出版されたということだから、
いろいろな要素が混ざっていて
そういうことを考えながら読むと
なかなか興味深い