盗賊 (新潮文庫)/三島 由紀夫
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三島由紀夫の長編処女作。
自らこの作品に関して「無慙な結果」と言う三島だが、同時に「少しも恥じようとは思わない」とも述べている。

これでもかと言うほどに細部にわたって明秀の心情を説明し、繰り返し彼の性質を分析しており、容赦ない。
自殺をよしとするものではなくむしろ生について書いているのは言うまでもない。
明秀の本棚にあるキルケゴールやショウペンハウエルの存在が明秀の心情を説明しようとしている。同じく自殺と言う道を選らんだ有島武郎の本も並んでいたのは興味深い。

一語一語を大切によむと、
当時の三島の荒削りな、でも繊細な感情が見えてくるような気がする。