戦中派焼け跡日記―昭和21年/山田 風太郎
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この本は昭和21年、1946年、当時24歳の山田青年の日記だ。
今現在の私よりも年下なのだが、
いやはやどうして賢い人だ。
1946年といえば本当に終戦直後。
渋谷は焼け野原。
東京ではこじきが沢山いて、追いはぎも出たそうだ。
資料として、戦後間もない頃のものは、
GHQのことや、政策、高度経済成長のことばかりで
本書のようにそこに生きていた人間の想いをそのまま映し出すものは少ない。

山田は天皇制を支持している。
といっても、それは決して右派とか、そういったことではない。
当時の日本人の素直な考えなのだ。
町中の話題はA級戦犯についてで、
新聞もそういった軍人たちを非難するものだった。
それでも山田が天皇制を支持するのは、
世の中を理解していたといえるだろう。
日本人の心の中にある長い長い天皇を中心とした歴史。
アメリカもそれは理解していた。
だからこそ、天皇制は廃止ではなく、
天皇の象徴化ということになったのだ。
天皇を象徴として残し、人々に崇拝対象を残した。

当時の日本人の心がわかる。