若くして官房長官となり、次はいよいよ総理へ上り詰めようとする政治家。
「この男が、もしも誰かの操り人形だったら?」
最初のインタビューでそう感じた女性記者が、彼の隠された過去に迫っていくお話。
以前読んだ「イノセントデイズ」と同じ著者の作で、ドラマ化もされています。
(例によって見てないけど)
語り手が次々と変わり、現在と過去を行ったり来たりするので、ちょっと読みにくく感じましたが、
何が、誰が、どう正しいのかだんだんと分からなくなってくる点こそが、著者の意図なのかもしれません。
「マニピュレーター」という言葉を初めて知りました。
直訳では「操る者」。
心理学上では、相手の心を意のままにコントロールして、自分の利益を得るパーソナリティを指すとのことです。
強制的で徹底的な支配であるマインドコントロールとは違って、
日常的なレベルで行われる比較的穏やかな操作で、相手の特定の行動や感情をコントロールしようとするものだそう。
他人の意見やネット情報を、あたかも自分の意見だと思ってしまうのは、ある意味操られていると言えるのかもしれません。
なかなか恐ろしい。
しかし、登場人物の一人である若き政治家(彼を主人公とは呼べない気がする)は、操られているように見せかけて、本当は人のいいとこどりしてるだけ。
芯のところ、マトリョーシカの一番中の部分はあくまでホンモノであり、ニセモノのふりをしているだけなのかもしれないなぁと思いました。
だから表紙がいくつも仮面を被った絵になっているのかもですね。


