「傷だらけのカミーユ」(ピエール・ルメートル文藝春秋文庫)


フランスのミステリーはあまり読まない。というより、避けてました。

フランス文学はキライではないんです。

このブログのタイトルの由来である「うたかたの日々」の作者ボリス・ヴィアンはフランス人ですし。

でも、フランスって、パリ以外はやたらと長くて聞きなれない地名が多いような先入観もあり(笑)読むのがめんどくさい気がして現代ものは敬遠してました

それなのにこの本を、シリーズを一気に読み干してしまいました。


出会いはまだ仙台にいたとき。

本社への出張帰りに、東京駅構内の書店で平積みされていた

その女アレックス

をなんとなく手に取ったのがきっかけでした。

しかし、新幹線ではわずか数ページ読んだだけで寝落ちしてしまい、それきりこの本を開くことはありませんでした。


そのまま2年の月日が経ち、2回の引っ越しを経て、それでも捨てずに持っていたのはどうしてだったのか。

毛糸やらなんやら趣味のものと一緒にしていたので、急に気付いたのです。

私としたことが読んでない本を放置しているなんて

で、読み出したら、止まらなかった


物語はアレックスという女性が何者かに拉致されるところから始まります。

捜査を担当するのはカミーユ・ヴェルーヴェンという小男の警部。

ある事件で心を大きく傷つけられた過去があります。

しかし、事態は単純な誘拐事件ではなく、予想もつかない方向に進んでいきます。

大どんでん返しなどという生易しいものではありません。

読み終わった瞬間にまた最初から読み直したほどです。

主人公であるカミーユとその周囲の人たちのなんと個性的なこと。

それと、被害者であるはずのアレックスが謎の女過ぎ。(峰不二子ちゃん以上!)

アレックスの不可思議な行動の訳が知りたくて、先へ先へと早く読みたくてたまらなくなります。

でも、じっくり読まないと何か見落としてしまいそうな……そんな焦りとジレンマの連続でした。

読み直しながら、結末を知っていてなお、その張り巡らされている伏線にため息が出ました。


で、そのカミーユ・ヴェルーヴェンシリーズの残り2作が、本屋さんに並んで平積みされているではありませんか

即、まとめ買い。

シリーズ本来の一作目である「悲しみのイレーヌ」と、

3作目の「傷だらけのカミーユ」。

なぜ2作目の「アレックス」が先に発行されたんでしょうね?

「イレーヌ」を読んで、ようやく「アレックス」に書かれていたことの意味が理解できた部分もあります。

なので、「傷だらけのカミーユ」を読む前に、また「アレックス」を読み直しました。

やっぱりフランス物は何度も読んでやっとわかることが多いような


なかなかバイオレンスな場面が多いです。

そういうものが苦手な方にはオススメできないですが、ミステリー好きにはたまらないシリーズだと思います。

明日また「イレーヌ」から読み直します