ギャリー•キース。私の友人の中でも一番最年長の74歳。友人の紹介で知り合った。仕事はジャズの映像を製作する会社を経営している。
ジャズとワインと女性が大好きな彼は、年に5回、彼の家で大きなパーティーを開く。毎回100人を超えるくらいのゲストが集まる。料理は毎回お決まりで、大きな七面鳥やチキンの丸焼き、ご飯にお肉と煮込んだ豆をかけたの、レーズンの入ったコールスローサラダ、さまざまなソールフードなどが並ぶ。
どれもワインとばっちりあって、とってもおいしい。それをまずはしっかりといただき、腹ごしらえした後は地下室で生のジャズバンドを聞きながら踊る。年齢層も人種もバラバラで、彼の人脈の広さがうかがえる。ギャリーはいつも「踊ろう!踊ろう!」と元気いっぱい。「後でね」なんて言うと、すぐはぶててしまうので、少しだけ一緒に踊る。ほんとに楽しむ事にどんよくな彼を私は見習いたいとたびたび思う。
パーティーは午後8時から始まったのに、気づいたらもう1時。ゲストたちは皆ハグをして帰って行く。こちらでは日常的な光景だが、その日私は、彼が珍しく男性にハグされるのを目撃した。ちょっと意地悪な私は、ギャリーがどんな表情をするのか興味津々で少し離れたところで彼をしっかりと見ていた。
彼に向けていた私の視線に気づかれた。すかさずギャリーは私に近づいて「ありゃ無いっ!」と一言。
「ありゃ無いよね」と、笑いながら私。私もこんな会話、74歳になったらしたい。
その7へ続く。。
HAPPY TIME