ニューヨークで私が唯一師匠と呼んでいる人。彼女の名前は「ハニー」。仕事の時はこのニックネームで親しまれている。ブルックリン出身で、黒人のちょっとごっついパンチが効いた感じ。気合の入った、キャラクターの強い女性だ。
初めて会ったのは3年くらい前。私が引っ越しパーティーを開いたとき。初対面だった私にお花を持って会いに来てくれた。そのとき、友達で美容師のチャールズに紹介してもらい、ハニーのアシスタントを始めることになった。
ハニーはネイルアートが大好きで、ネイルに携わる人たちをとても大事にしている。本屋さんに行きファッション誌を開くと必ず彼女の名前がどれかに載っているほどのスーパー売れっ子だ。
私にとってハニーは信頼できる仕事のパートナー。でも、信頼してもらえるまでが大変だった。約束をしても会えなかった事もしばしば。当日キャンセル、約束を忘れられていたことも。でも、彼女を責めようとは思わなかった。自分はどうしたら大事な人だと思ってもらえるんだろうと必死だった。
昨年の秋にあったニューヨークコレクション。前日から２人で準備を始めた。夜中の３時までああでもない、こうでもない、と言いながら、マニキュアを何色も混ぜ合わせてオリジナルカラーを作成した。
次の日の集合時間が朝の７時、ショーは９時スタート。お決まりのように、何人かのモデルさんギリギリに到着。バックステージを走り回ってやっとみんなネイル装着完了。ファッションショーは始まった。
その５へ続く。。。
Happy Time